研究課題/領域番号 |
13670146
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
康 東天 九州大学, 医学研究院, 助教授 (80214716)
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研究分担者 |
阿部 義人 九州大学, 医学研究院, 助手 (60315091)
濱崎 直孝 九州大学, 医学研究院, 教授 (00091265)
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キーワード | ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / ホリデー構造 / ミトコンドリアDNA複製 / ミトコンドリア転写因子A / D-ループ / R-ループ / ミトコンドリアDNAヌクレオイド構造 |
研究概要 |
ミトコンドリアゲノム維持におけるホリデー構造様DNA分岐構造の役割 1-methyl-4-phenylpyridinium ion(MPP+)は選択的に黒質細胞に蓄積し人工的にパーキンソン病様の症状を起こすことが知られている。その作用機序として選択的にミトコンドリアDNA複製を阻害することを見い出した。MPP+はミトコンドリアDNA複製ポリメラーゼであるDNAポリメラーゼgのDNA伸長反応を阻害しなかったが、細胞レベルですみやかに、新生H鎖の喪失をひき起こし、複製開始の初期の反応に作用していると思われた。このMPP+の新生H鎖の喪失作用は単離ミトコンドリアにおいて添加後わずか1分から観察されることから、新生H鎖の合成の阻害ではなくすでに存在するD-loopに直接作用することが示唆される。実際、分離したミトコンドリアDNAに作用させてもD-loop構造の解消が観察されることから、MPP+の細胞レベルでの複製阻害は複製中間体であるD-loopを直接不安定化という全く新しい機構によるものであることが明らかになった。この複製中間体の不安定化作用はD-loop構造中に存在するHolliday構造様の分岐構造のコンフォメーションの変化による分岐点移動の促進によるものであることを見いだした。ミトコンドリアDNAの維持に必須であるミトコンドリア転写因子mtTFAと1本鎖DNA結合蛋白賓mtSSBがD-loopをそれぞれ不安定化および安定化する作用があることを見いだした。これらの結果はD-loop構造中に存在するHolliday構造様の分岐構造の安定性がミトコンドリアDNAの維持に重要な役割を果たしていることを示唆している。、mtTFAは従来mtDNA1分子あたり15分子程度存在すると報告されていたが、この研究の過程でmtDNA1分子あたり1000分子も存在することを見いだした。この量はmtDNAを覆い尽くすに十分な量であり、mtTFAがミトコンドリアゲノムにおけるヒストン様役割を果たしているいる可能性を示唆している。
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