HNの構造機能分析 (1)HNのAlaスキャンによる分泌活性の測定 HNペプチドの各アミノ酸残基のAla置換は、HN分泌作用に全く影響しなかった。 (2)HNのArgスキャンによる分泌活性の測定 Arg置換においては、Leu9-Leu11ドメインとPro19-Va120はHNの分泌に必須である事が判明した。 (3)HNのAspスキャンによる分泌活性の測定 Asp置換において、L10Dは、HNを分泌させなくなりLeu10は、必須アミノ酸残基であった。ただし、Leu9及びLeu11は、必須ではなかった。 (4)HNのAlaスキャンによる二量体化の解析 Ala置換により、Ser7とLeu9はHNの二量体化に必須アミノ酸残基であった。以上の結果から、Leu10は中心的役割を果たす事が解った。また、HNの二量体化が神経細胞死抑制機能の本質的な過程であることが示唆された。 (5)HNシグナルペプチドとしての機能解析 HNそのものがシグナルペプチドと同様の活性を有し、Leu9-Leu11はその活性ドメインであることが示めされた。 HNの活性化機構の解析 HNは天然のライブラリーから単離された遺伝子でありながらS14G体(HNG)はHNの約1000倍の活性を有した。これはHNが翻訳後の修飾により活性体に変換されている可能性を示しているが、Ser14をD体化するとその活性が約1000倍上がった。この結果は、セリンラセメースの存在を強く示唆するものである。
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