研究課題/領域番号 |
13670168
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
石井 恵子 信州大学, 医学部, 助手 (00252099)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 講師 (20235493)
中山 淳 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10221459)
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キーワード | 子宮頸部 / 悪性腺種 / HIK1083 / ラテックス凝集反応 / 胃幽門腺型粘液 / α4GnT / RT-PCR |
研究概要 |
検討1:血中HIK1083反応性ムチンの定量(ELHSA増感システムを用いた高感度測定法の開発) 健常人の末梢血を対象とした。従来法と比較し約100倍の感度の上昇がみられ、健常人の血中濃度レベルまで測定が可能となった。血清の保存温度、凍結溶解の繰り返し、干渉物質の影響は認められず同ムチンは非常に安定していることがわかった。また血清と血漿の測定値に有意差はなく、これはPCR法によるα4GnTの検出との同時測定が可能であることを示しており、両者の相関に関しては今後検討を進めていく予定である。さらにGIcNAc-αによる抑制試験により、本測定法は特異度に優れていることが確認できた。しかし測定精度は従来法よりも若干低く、同時再現性・日差再現性は低濃度試料でバラツキが見られた。今後は特に低濃度域での安定性を得る条件を改良し、患者血液を用いた臨床応用を進めていく予定である。 検討2:末梢血液中の胃型癌細胞を検出する為のアッセイ系の開発 胃癌および胃潰瘍・胃炎患者、ならびに健常人の末梢血からRNAを抽出し,逆転写酵素を用いてcDNAを合成。次にα4GnT遺伝子と特異的に反応するTaqManプローブならびにその両側にデザインしたプライマーを用いて定量PCRを行った。その結果、健常者ではα4GnTの発現を認めなかったが、胃癌患者では62%、特に早期癌では80%と高率に発現を認め、その発現量は癌の病期との間に正の相関を示した。一方胃潰瘍・胃炎患者でも33%に発現を認めたが、その発現量は胃癌患者と比べ有意に低かった。 このアッセイ系を用いて同様に子宮頸部悪性腺腫患者14名の末梢血中のα4GnTの定量を行った。その結果、全員にα4GnTの発現を認めた。さらに術前・術後の値の変動を調べることができた8名中7名で術後発現量の減少を認めた。しかし、腫瘍の悪性度と発現量との間に相関は見られなかった。
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