国内外で始めてヒトSWI1のcDNAクローニング、FLSH mapingに成功した。 共同研究でhSWI1が、滑膜肉腫の腫瘍発生メカニズムに関わっていることを解明した。 滑膜肉腫では、hSWI1にSSX/SYTキメラ分子が結合しクロマチン再構成因子複合体の正常な機能を抑制することが、発癌機構であることを明らかにした。 又、短縮型hSWI1は、神経発芽細胞腫を含む神経内分泌腫瘍で、カドヘリンを含む細胞接着因子や細胞骨格蛋白質の発現を変化させることにより浸潤、転移に強く関わっていることを明らかにした。 hSWI1の変異は、dominant negativeに作用し、新規発見のアクチン結合蛋白質であるskele trophinの発現を高め、腫瘍細胞の形態変化に関与することを明らかにした。 又、重要な知見として、短縮型hSWI1は、ARIDと呼ばれるDNA結合モチーフは、有するものの、エストロゲン結合領域相同ドメインを欠落していることが、明らかになった。これは、内分泌腫瘍の自律性増殖とも関連し、今後の研究が待たれると思われる。
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