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2002 年度 実績報告書

CD5陽性びまん性大細胞型Bリンパ腫の腫瘍発生と病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13670183
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

中村 直哉  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50227922)

研究分担者 田崎 和洋  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70244382)
小野 伸高  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80233584)
キーワードDiffuse large B-cell lymphoma / CD5 / immunoglobulin heavy chain gene / somatic mutation / bcl-6 gene / DNA microarray
研究概要

<目的>
CD5陽性びまん性大細胞型リンパ腫(CD5^+ DLBCL)の組織発生を明らかにするために本年はCD5^+ DLBCLとCD5^-DLBCLについて免疫グロブリン遺伝子可変領域(VH遺伝子)のほか、bcl-6遺伝子promoter領域のsomatic mutation、bc1-6遺伝子異常、DNA microarray法を用いた比較検討を行った。
<結果>
1)bcl-6遺伝子promoter領域のsomatic mutation
腫瘍組織から高分子DNAを抽出し、bcl-6遺伝子promoter領域(およそ700bps)をPCR増幅し、塩基配列を解析した。CD5^+ DLBCLは11症例を検討した。6例はgermlineを示し、5例は1塩基のみmutationしていた。VH遺伝子somatic mutationとの関係は(1)Low frequency群は2例で1例にmutation(+)、(2)hypermutation群は6例中3例にmutation(+)、(3)他3例(VH遺伝子未解析)は1例にmutation(+)であった。一方、CD5^-DLBCLは8例について解析したところ、3例はgermline、4例でmutationを示したが、mutationを示した塩基数はそれぞれ1,3,4,5塩基であった。他1例では1塩基の欠損(deletion)を認めた。このうち5例でVH遺伝子のsomatic mutationを解析しているが、5.6-19.1%のmutation頻度を示した。
2)bcl-6遺伝子異常(再構成もしくは染色体異常)
Southern blottingによるbcl-6遺伝子の再構成、もしくは染色体分析による3q27異常を検索したが、CD5^+ DLBCL20例に異常は認められなかった。CD5^-DLBCLではおよそ20%にbcl-6遺伝子の異常を認めるとされる。
3)DNA microarray
腫瘍組織からRNAを抽出し、CD5^+ DLBCL 6例とCD5^-DLBCL 6例についておよそ600の遺伝子についてmicroarray法による発現を検討したところ、CD5^+ DLBCL 4例は、CD5^-DLBCLの他2例とCD5^-DLBCL 6例を合わせた群とは明らかに異なる発現パターンを示した。
<これまでの結果からの考察>
CD5^-DLBCLに比較してCD5^+ DLBCLはVH遺伝子の他、bcl-6遺伝子の変化および異常が少ないことが明らかにされた。さらにDNA microarrayにより遺伝子発現のパターンが異なることも示された。すなわちCD5^+ DLBCLとCD5^<+-> DLBCLでは遺伝子レベルで異なった腫瘍であることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Naoya Nakamura et al.: "CD5-positive diffuse large B-Cell lymphoma presenting in bone marrow without lymphadenopathy"Journal of Clinical and Experimental Hematopathology. 41(1). 73-80 (2001)

  • [文献書誌] Naoya Nakamura et al.: "Analysis of the immunoglobulin heavy chain gene variable region of CD5-positive and -negative diffuse large B cell lymphoma"Leukemia. 15. 452-457 (2001)

  • [文献書誌] Motonobu Kanda, Naoya Nakamura et al.: "Analysis of the immunoglobulin heavy chain gene variable region of intravascular large B-cell lymphoma"Virchows Arch. 439(4). 540-546 (2001)

  • [文献書誌] 中村直哉: "CD5-positive diffuse large B-cell lymphoma, 病理面を中心に"第17回悪性リンパ腫治療研究会抄録集. 15 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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