研究概要 |
我々は腺管分離法を用いて進行大腸癌のDNA ploidyと遺伝子異常との関係を検討してきた。それらの結果からDNA diploid(D)、aneuploid(A)、multiploid(M, D+A)は互いに異なるgenetic plofileを有する独立したDNA typeであることを明らかにした(Sugai T, et al. Hum Pathol, 2000;Sugai T, et al. Int J Cancer, 2000;Sugai T, et al. Oncogene, 2001;Sugai T, et al. Cytometry 2001;46:345-350.)。上記のDNA typeはDNA index(DI)からも異なっており、Aは1.3未満のlow DIで構成されているのに対して、Mは1.3以上のhigh DIで構成されていた(Sugai T, et al. Cytometry 2001;46:345-350.)。一方大腸腺腫のaneuploid stateのDIは1.3未満のlow DI腺腫と1.5以上のhigh DI腺腫に2大別されるが(Sugai T et al. Pathol Int 1999;49:617-625.)、早期癌の場合、腺腫内癌(group A cancer)と腺腫成分を含まないかもしくは極めて少量含む癌(group B cancer)に大別してDNA ploidy stateを検討した場合、前者の癌はlow DIで癌成分が構成されているのに対して、後者はlow及びhigh DI癌細胞で構成されていることが明らかになった(Sugai T et al. Pathol Int 2003;53:154-162)。これらの検討から大腸腫瘍の新しい腫瘍発生を提案した。
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