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2002 年度 実績報告書

ホルモン産生腫瘍の生物学的活性に対するカベオリンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 13670197
研究機関神戸常盤短期大学

研究代表者

前田 環  神戸常盤短期大学, 衛生技術科, 助教授 (00173708)

研究分担者 畑中 道代  神戸常磐短期大学, 衛生技術科, 助教授 (50218484)
キーワードカベオリン / ホルモン分泌腫瘍 / 下垂体 / 甲状腺
研究概要

カベオリンは細胞膜上のカベオラ構造と密接に関連した膜蛋白で,1992年の発見以来,細胞レベルの物質輸送に果たす役割が検討されてきた。我々は,カベオリンが内分泌細胞におけるホルモン原料の取り込みや分泌刺激の受け取りに果たす役割を解明するために,免疫組織化学的手法で検索を行った。剖検およびラットの正常状態における甲状腺濾胞上皮細胞と副腎皮質細胞の細胞膜,細胞質に,下垂体の核にカベオリンの存在を光学顕微鏡レベルで確認した。次に電顕的にカベオラ構造を検索したが明瞭な構造は確認できず,免疫学的検索でも反応は不明瞭であった。下垂体についてはラットを用いて,正常とプロラクチン分泌過剰状態を比較検討したところ,いずれも核にカベオリンの存在が示された。膜蛋白であるカベオリンが細胞質や核に陽性を示したことから偽陽性を疑い技術的な点を検討したが,他の組織では起こっていない現象である。また,カベオリンが分泌顆粒や細胞質など細胞膜以外に存在すると報告がされた。従って細胞膜での物質交換という我々の予測とは異なる機能を果たしている可能性も示唆された。一方,甲状腺腫瘍症例については良性・悪性ともカベオリン1が常に均一に陽性,カベオリン2は症例により発現の仕方が異なっており腫瘍化における役割の違いが示唆された。
いずれも反応にばらつきがあることから,条件を一定とするため培養細胞を用いた実験系を確立するため,CHOやGH_3などの培養細胞においてウエスタンプロッティングでカベオリンを確認し,電子顕微鏡レベルで免疫染色について条件を設定した。今後,分泌状態によるカベオリン分布の変化を形態計測を行なう培養細胞の実験系を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 前田 環: "カルチノイド腫瘍の病理学的生物学的悪性度についての考察"病理と臨床. Vol.20 no.4. 356-360 (2002)

  • [文献書誌] 畑中道代: "Caveolae構造とcaveolin(2)血球細胞系におけるcaveolinの発現"神戸常盤短期大学紀要. 23号. 1-7 (2002)

  • [文献書誌] Hiroshi Mori: "Increased exocytosis of secretory granules in contrast to reduced serum hormone levels in pituitary adenomas of humans and rats treated with dopamine agonist"Med Electron Microsc. Vol.34. 123-133 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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