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2001 年度 実績報告書

多倍体化培養細胞株の樹立と多倍体化がもたらす形質変換の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670228
研究機関金沢医科大学

研究代表者

藤川 孝三郎  金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20139786)

キーワードMeth-A cells / V79 cells / tetraploid cell line / triploid cell line / octaploid cell line / polyploidization / demecolcine / K-252a
研究概要

平成13年度の研究計画においては(1)4倍体V79細胞株の樹立及び(2)4倍体V79細胞株のカリオタイピング、細胞周期パラメーターの決定、温度血清依存性、細胞表面糖鎖構造の変化を研究目的にしていた。これらの研究計画設定の段階では2倍体と4倍体V79細胞の混合物が得られていたので4倍体の樹立は容易にできると思っていた。しかしながら、実際には予想に反して3本の相同染色体を持つ3倍体V79細胞が樹立された。この結果は、3倍体V79細胞は4倍体V79細胞を経由して得られ、わずか20細胞分裂程度の短時間でハプロイド染色体セットを消失したとしか考えられないという驚くべき結果であった。このような現象は細胞内における染色体はほとんど独立していると考えている通説では説明できない。高橋学(故山口大学名誉教授)のDNA構造モデルを多倍体細胞に拡張したモデルを作成し、この現象を説明した("Establishment of a triploid V79 cell line from the transient tetraploid cells obtained through polyploidization by K-252a"の題名で投稿中)。
4倍体Meth-A細胞をデメコルチンで高倍体に多倍体化した後、薬剤を除去することで8本の相同染色体を有する8倍体Meth-A細胞を樹立した(現在までに200回以上細胞分裂している)。この4倍体-8倍体変換はクローニングによる細胞株樹立のような、少数の細胞が起こすまれな現象を抽出したものではなく、4倍体細胞集団を8倍体細胞集団に変えたものであり、再現性がある。8倍体Meth-A細胞の樹立により、2、4、8倍体Meth-A細胞株が得られたことになり、今後の倍数性と細胞形質変換の研究に強力な材料となると考えられる。8倍体細胞の樹立に関しては"Establishment of octaploid Meth-A cell lines from the tetraploid cells through polyploidization by demecolcin"として投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fujikawa-Yamamoto K, Wang S, Yamagishi H, Ikeda T: "Establishment of a tetraploid Meth-A cell line through polyploidization by demecolcine but not by staurosporie, k-252a and paclitaxel"Cell Proliferat. 34. 211-222 (2001)

  • [文献書誌] Fujikawa-Yamamoto K, Wang S, Yamagishi H, Miyagoshi M: "Temperature dependence in proliferation of tetraploid Meth-A cells in comparison with the parent diploid cells"Cell Struct. Funct. 26. 263-269 (2001)

  • [文献書誌] Fujikawa-Yamamoto K, Ikeda T, Wang S, Yamagishi H, Miyagoshi M: "Serum dependence in proliferation of diploid and tetraploid Meth-A cells"Cytologia. 67(in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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