研究課題/領域番号 |
13670241
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
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研究分担者 |
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
松田 信治 秋田大学, 医学部, 助教授 (70199800)
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キーワード | 広東住血線虫 / 好酸球 / major basic protein / 抗MBP抗体 / 免疫組織化学染色 / Angiostrongylus cantonensis / エフェクター / 殺虫作用 |
研究概要 |
広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis ; Ac)感染マウスでは、脳に移行した虫体は、髄液に集積した好酸球によって殺滅されることがこれまでの知見より推測される。しかし、好酸球から放出される如何なるエフェクター分子によって虫体が殺滅されるかは今のところ全く不明である。よって本研究では、Ac感染マウスの髄液に増多する好酸球の顆粒内塩基性蛋白質が、脳内虫体の殺滅に如何なる関与をしているのかを分子免疫学的に解明することを目的として、顆粒内塩基性蛋白質の1つであるMajor basic protein(MBP)の脳内虫体および脳組織への沈着を調べた。すなわち、米国Mayo Clinic Scottsdale ResearchのJames Lee博士より、ウサギ抗マウスMBPポリクローナル抗体を分与頂くことができ、この抗体を用いて、感染マウスの脳内虫体におけるMBPの沈着を免疫組織化学的に検索した。7週齢の雄C57BL/6マウスに広東住血線虫第3期感染幼虫24隻を経口感染し、感染後経時的に剖検し、脳を摘出してホルマリン固定し、組織のパラフィン切片を作製した。感染後15日から脳のくも膜下髄膜に多数の好酸球浸潤が認められ、MBP粒子が好酸球外の髄膜組織内に散在する箇所も認められた。一方、感染後8日から22日にかけて脳内あるいは脳のくも膜下腔に虫体の断面が見られ、死滅しつつある虫体周囲は好酸球で囲まれていた。しかも、この死滅虫体の体表には、角皮に沿って明らかにMBPの沈着が認められた。脳から遊離している生存虫体の角皮にはこのようなMBPの沈着が見られなかった。以上の結果より、MBPは脳内虫体殺滅作用のエフェクター分子の一つである可能性が示唆された。
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