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2002 年度 実績報告書

Entamoebaの脱嚢および後嚢子の発育に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670256
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

牧岡 朝夫  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (90119850)

キーワードEntamoeba in invadens / 脱嚢 / 後嚢子 / カルシウムイオン / カルモデュリン / オリザリン
研究概要

Entamoeba invadensのin vitro脱嚢系を用いて今年度はカルシウムイオン(Ca^<2+>)ならびにカルモデュリン(CaM)の関与につき、それぞれの阻害剤を用いて調べるとともに、微小管形成阻害剤オリザリンについても検討した。カルシウムイオン(Ca^<2+>)ならびにカルモデュリン(CaM)は多くの細胞機能を有し、我々は先にCa^<2+>/CaM阻害剤がEntamoebaの増殖および嚢子形成を阻害することを明らかにしており、またオリザリンについても同様な阻害効果を確認している。E. invadens栄養型を嚢子形成液に移し3日間培養することにより嚢子を得、この嚢子を栄養型培養液に戻すことにより脱嚢を誘導した。1.Ca^<2+>機能阻害剤の効果:種々の濃度のCa^<2+>キレート剤EGTA、EDTA存在下で脱嚢後アメーバ虫体数を比較した結果、濃度に依存した虫体数の減少が認められた。EDTAのほうがEGTAよりも強い阻害効果を示した。嚢子の生存率は高濃度のキレート剤存在下で減少した。脱嚢後アメーバの発育をその核数により調べた結果、EGTAは発育を遅延させ、EDTAは発育異常を引き起こした。これらのキレート剤の除去により虫体数の部分的な回復がみられた。Ca^<2+> fluxの阻害剤TMB-8も両過程に対する阻害効果を示したが、嚢子の生存率には影響しなかった。Ca^<2+>channel blockerであるbepridilは両過程を阻害し、高濃度では嚢子の生存率を減少させた。また、bepridilの除去によりアメーバ虫体数の回復がみられた。2.CaM阻害剤の効果:CaM阻害剤trifluoperazine (TFP)も両過程に対する阻害効果を示し、bepridilの場合と同様、TFPの除去によりアメーバ虫体数の回復が認められた。3.オリザリンの阻害効果:オリザリンも脱嚢および脱嚢後アメーバの発育に対して濃度に依存した強い阻害効果を示し、その効果は不可逆的であった。以上の結果からCa^<2+>/CaMがEntamoebaの脱嚢および脱嚢後アメーバの発育にも関与していることが示唆され、オリザリンは増殖、嚢子形成に加えて脱嚢および脱嚢後アメーバの発育阻害効果も示すことが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Makioka A: "Effect of proteasome inhibitors on the growth, encystation, and excystation of Entamoeba histolytica and Entamoeba invadens"Parasitol Res. 88・5. 454-459 (2002)

  • [文献書誌] Makioka A: "Possible role of calcium ions, calcium channels and calmodulin in excystation and metacystic development of Entamoeba invadens"Parasitol Res. 88・9. 837-843 (2002)

  • [文献書誌] Mizuno Y: "Effect of jasplakinolide on the growth, invasion, and actin cytoskeleton of Plasmodium falciparum"Parasitol Res. 88・9. 844-848 (2002)

  • [文献書誌] Makioka A: "Inhibition of excystation and metacystic development of Entamoeba invadens by the dinitroaniline herbicide oryzalin"J Parasitol. 88・5. 994-999 (2002)

  • [文献書誌] Makioka A: "Entamoeba invadens : Inhibition of excystation and metacystic development by aphidicolin"Exp Parasitol. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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