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2003 年度 研究成果報告書概要

ヒト多包虫症の早期診断法と治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13670258
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 寄生虫学(含医用動物学)
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

藤田 修  国立感染症研究所, 獣医科学部, 研究員 (20260276)

研究分担者 野崎 智義  国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長 (60198588)
研究期間 (年度) 2001 – 2003
キーワードEchinococcus / multilocularis / 抗酸化酵素 / 2-Cys peroxiredoxin / アクチン結合タンパク質 / 分布 / 診断抗原
研究概要

本研究はヒト多包虫症の早期診断法・新規治療法の開発につながる特異的な分子の検出とその機能の解析を目的とする。多包虫組織から作製したcDNA発現ライブラリーを、多包虫患者血清にてスクリーニングし6種類の新規抗原タンパク質を獲得した。アクチン調節タンパク質(AMP)とペルオキシレドキシン(Prx)を選択し、それらの組換えタンパク質を用いて生化学的性状と機能の解析をした。1)AMP:F-/G-アクチンとの結合部位のアミノ酸配列は保存されていた。機能的にはAMPはCa^<2+>存在下でアクチン線維を切断することが確認された。アクチン線維は細胞骨格の形成と筋肉の収縮、原形質流動、細胞質分裂等の細胞運動に関与している。AMPはこのアクチン線維の重合-脱重合と架橋構造の形成を制御しており、寄生虫体の生存に重要な役割を担っているものと思われる。診断抗原としては、殆どの多包虫症患者血清がこの抗原を認識することより、有用な診断抗原としての可能性が示唆された。2)Prx: この酵素群のアミノ酸配列の特徴であるシステイン残基を含む2ケ所の活性部位が保存された。フェントン反応を利用したアッセイ系でヒドロキシルラジカルのDNA損傷を阻止する酵素活性が認められ、また過酸化物に対する還元活性はチオレドキシンを介することも確認された。Prxは感染ステージ(六鈎幼虫、原頭節)の表被に主に局在していた。Prxは自身の好気的代謝過程で産生される活性酸素種に対する保護や宿主の免疫担当細胞の侵襲に対する防御、さらの外部環境の変化への対応などの役割を果たしており、活性酸素種消去系(宿主体内での生き残り戦略)の中心的役割を果たしていると思われる。今回この寄生虫種の生存に関与する新規抗原タンパク質の解析をしたが、得られた知見は寄生体の生物学的特性を利用したワクチン・創薬等の新しい防御技術の開発の為に有益であると思われる。

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公開日: 2005-04-19  

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