細菌由来免疫調節性CpG-DNAによる発現が誘導される遺伝子の解析

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13670269
• 研究機関: 浜松医科大学
• 研究代表者: 内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20252174)
• 研究分担者: 青枝 大貴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10324344) ; 永田 年 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90275024) ; 小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
• キーワード: CpG-DNA / 遺伝子発現 / サブトラクション / 免疫調節

研究概要

細菌由来免疫調節性CpG-DNAにより特異的に発現が誘導される遺伝子を同定し、CpG-DNAによる免疫調節機構を明らかにしていくことが本研究の目的である。
BALB/cマウスの脾細胞を調製し、これをCpG-DNAまたはnon-CpG-DNAで刺激し、一定時間後にmRNAを回収して、サブトラクションライブラリー作製のための材料とした。Suppression Subtraction Hybridization(SSH)法を用いてCpG-DNA刺激による差次的発現cDNAの増幅を行なった。CpG-DNAにより発現誘導されることが知られているIL-6と、house keeping遺伝子のG3PDHのプライマーを用いてSSH前後のcDNAを鋳型にPCRをおこない、cDNAを検定した。IL-6が増加した一方G3PDHが検出できなかったことから、サブトラクション効率が高いことが確認された。そこで、このcDNAをプラスミドベクターに組み込み、ライブラリーを作製した。
約100クローンについて塩基配列を決定し、BLASTで検索した結果、約50%がマウスのデータベースと一致した。10%強がヒトまたはラットのものと高い相同性をもっていた。残りの40%はデータベースと一致しない未知のものであった。マウスと一致したものについてプライマーを作製し、RT-PCR法によりCpG-DNAによるこれらの遺伝子の発現誘導を確認した。その結果、CpG-DNAによりIRF-1、NFκB(p105)、PA28βなどが骨髄由来マクロファージにおいて発現誘導されることが明らかになった。
現在、さらにほかのクローンの塩基配列決定をすすめるとともに、データベースに一致しない遺伝子についてもRT-PCR法による発現誘導の再確認をすすめている。

研究成果

• [文献書誌] Yokota, N. et. al.: "Identification of differentially expressed genes in rat hippocampus after transient global cerebral ischemia using subtractive cDNA cloning based on polymerase chain reaction"Stoke. 32・(1). 168-174 (2001)
• [文献書誌] Kageyama, Y. et. al.: "Toxic shock syndrome toxin-1 accelerated collagen-induced arthritis in mice"J. Autoimmun.. 16・(2). 125-131 (2001)
• [文献書誌] Yamada, et. al.: "Protective cytotoxic T lymphocyte responses induced by DNA immunization against immunodominant and subdominant epitopes of Listeria monocytogenes are noncompetitive"Infect. Immun.. 69・(5). 3427-3430 (2001)
• [文献書誌] Yoshida, A. et. al.: "Protective CTL response is induced in the absence of CD4+ T cells and IFN-gamma by gene gun DNA vaccination with a minigene encoding a CTL epitope of Listeria monocytogenes"Vaccine. 12・(30). 4297-4306 (2001)
• [文献書誌] Uchijima, M. et. al.: "Identification of immunostimulatory DNA-induced genes by suppression subtractive hybridization"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 286・(4). 688-691 (2001)
• [文献書誌] Nagata, T. et. al.: "Immunization with plasmid DNA encoding MHC class II binding peptide/CLIP-replaced invariant chain (Ii) induces specific helper T cells in vivo : the assessment of Ii p31 and p41 isoforms as vehicles for immunization"Vaccine. 20・(1-2). 105-114 (2001)