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2001 年度 実績報告書

エンドトキシンショックにおけるHMG-1タンパク質の作用メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 13670282
研究機関北里大学

研究代表者

蓮沼 良一  北里大学, 理学部, 助手 (30104566)

研究分担者 熊沢 義雄  北里大学, 理学部, 教授 (30072375)
キーワードHMG-1 / エンドトキシンショック / ネズミチフス菌感染 / ガラクトサミン感作モデル
研究概要

1×10^8CFUのS.typhimurium aroA変異株をBALB/cマウス腹腔内に接種すると、感染2日以内にマウスはすべて死亡した。感染18時間後では、血漿中にHMG-1を認めなかったが、24〜30時間後にピークとなった。LPS投与の実験系では、血漿HMG-1のレベルが投与16時間後から高まることが既に報告されている。これと比べ感染モデルではやや遅くHMG-1が遊離することがわかった。感染モデルでは、肝臓における血液凝固の亢進により血栓が形成され、血流が阻害されたことにより支配領域の細胞に壊死が誘導された。感染によって引き起こされるショックは肝細胞の壊死によるものであり、HMG-1は細胞壊死により血中に遊離したものと考えられる。感染実験モデルでのHMG-1の遊離とショックの誘導は相関していた。
ガラクトサミン(Ga1N)を負荷したマウスにLPSを投与するとショックが誘導される。この実験モデルのショック誘発におけるHMG-1の産生を調べた。HMG-1は正常マウス肝臓ホモジネートには多量に存在したが血漿には認められなかった。LPS投与4時間後のGa1N負荷マウスの血漿ではHMG-1を検出できなかったが、ショック死が誘導される直前の6時間後には高いレベルとなった。TNF-αをGa1N負荷マウスに投与した5時間後の血漿には微量のHMG-1を、その30分後には多量のHMG-1を検出した。血漿GOTの値もHMG-1と同様に著しく増加した。
異なるメカニズムでショックが誘導される実験系で同じような結果を得たことから、HMG-1はマクロファージによって作られるというより、壊死やアポトーシスによって死に至った細胞から遊離したものと考えられる。さらにより詳細なメカニズムを明らかにするためにモノクローナル抗体の作成を検討し、B.brevisを用いて、組換えHMG-1を分泌タンパク質として生産する系を確立した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] R.Hasunuma, H.Morita, S.Tanaka, R.Ryll, M.A.Freudenberg et al.: "Differential clearance and induction of host responses by various administered or released lipopolysaccharides"Jornal of Endotoxin Research. 7・6. 421-429 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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