研究課題/領域番号 |
13670301
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
西園 晃 大分医科大学, 医学部, 教授 (70218155)
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研究分担者 |
園田 憲悟 化学及血清療法研究所, 第2研究室, 研究員
万年 和明 大分医科大学, 医学部, 助教授 (20145361)
山城 哲 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00244335)
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キーワード | ヘリコバクター / 細菌 / ワクチン / ベクター |
研究概要 |
ピロリ菌の病原性を担う遺伝子内に、外来遺伝子を挿入し蛋白として発現させるベクターとして用いる上で、どのような遺伝子が組み換え部位として最適なのかを検討することを今年度の目的とした。 我々がこれまでにクローニングし、その構造解析を行った分子量29KDaの外膜蛋白をコードするOmp29遺伝子の構造は、菌株により互いにほぼ同じ配列を示す短い770bpの長さを有するものと、保存された配列の間に5'末端から180bpの位置に、762bp〜1264bpと種々の長さで保存性の低い配列が挿入された構造を示す長いサイズ群に大別された。挿入されている762bp〜1264bpと種々の長さを示す保存性の低い配列の5'及び3'末端には17bpから成る同方向配列が各々確認された。また各遺伝子のORF構造は770bp群では単一ORFであるのに対し、長いサイズ群では数個のORFに分断されていた。 このことから組み換えOmp29蛋白に対するウサギ抗血清を用いたimmunoblotでは、単一のORFから成る770bp群では29kDaの位置に反応が見られたが、長いサイズ群ではORFが分断されているために反応は認めなかった。しかし遺伝子組み換え技術により、一本のORFとして内部に700bp〜1200bp前後の外来挿入配列を組み込み発現させることは可能であり、ベクターとして用いるために、Omp29遺伝子は最適の構造をしていると考えられた。 現在Omp29遺伝子の受け入れ遺伝子配列の間に狂犬病ウイルスN蛋白のcDNAをin frameで挿入し、一本のORFとして発現しうるか否かを確認中であり、in vitroでの発現が確認されれば、その後マウスに組み換え菌を感染させることで経口免役し、その後に生ウイルスをチャレンジ感染させ感染防御効果を確認することとする。
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