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2002 年度 実績報告書

組み換え弱毒ヘリコバクター・ピロリ菌を用いたワクチン用生菌ベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13670301
研究機関大分医科大学

研究代表者

西園 晃  大分医科大学, 医学部, 教授 (70218155)

研究分担者 園田 憲悟  (財)化学及血清療法研究所, 第2研究室, 研究員
万年 和明  大分医科大学, 医学部, 助教授 (20145361)
山城 哲  大分医科大学, 医学部, 助教授 (00244335)
キーワードヘリコバクター / 細菌 / ワクチン / ベクター
研究概要

新たな抗原デリバリーシステムの候補として、胃内持続生着菌であるヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)を非病原化させワクチンのベクターとして利用することが本研究の目的である。弱毒化させた細菌を常時体内に生着させることで異種抗原を体内で恒常的に産生させ、全身的・局所的な免疫を賦与するためには、より低い病原性と全身的、局所的に高い免疫原性を賦与できるように工夫する必要がある。
昨年度の検討で、H. pyloriの外膜蛋白Omp29遺伝子が外来遺伝子挿入配列をとして適した構造をしていると考えられた、選択マーカーとしてGFP遺伝子の遺伝子発現ユニットを挿入し組み換え体の選別を行った。しかし、選択した挿入遺伝子の発現に用いるプロモーターが不適切なためかこれらの遺伝子にコードされる蛋白の発現を確認することはできなかった。次に現在ピロリ菌の病原遺伝子の最右翼として知られるcag PAIを遺伝子挿入の標的部位とする試みを行った。cag PAIはピロリ菌の胃粘膜上皮への接着と病原性の発現において、細胞内への毒素関連蛋白の注入による細胞内シグナルのかく乱に重要な役割を担っていることが注目されており、この遺伝子群の機能を喪失させることは菌自体の毒性を減じることにもつながる。
今回cag PAI遺伝子のほぼ全長を欠落させ、クロラムフェニコール遺伝子で置き換えたノックアウト株(親株は標準株である43504株、シドニー株)の作成に成功した。今後はこの薬剤耐性遺伝子の前あるいは後に、適切なプロモーターと共に小ペプチドを発現できるORFのユニットを挿入した組み換え菌の作成に取りかかり、ウイルスの感染防御抗原遺伝子の発現が可能なで病原性を減弱、喪失させた組み換え弱毒ピロリ菌を構築し、これが全身的、局所的に有効な免疫応答を誘導し得るか否かを検討し、生菌ワクチンベクターとして応用が可能になるかを検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Watanabe K., K.Murakami, N.Maeda, T.Fujioka, M.Nasu, A.Nishizono: "Intraperitoneal immunization led to cell hyporesponsiveness to Helicobacter pylori infection in mice"Microbiol Immunol. 46. 441-447 (2002)

  • [文献書誌] Maeda K., T.Yamashiro, T.Minoura, T.Fujioka, M.Nasu, A.Nishizono: "Evaluation of therapeutic efficacy of adjuvant Helicobacter pylori whole cell sonicate in mice with chronic H. pylori infection"Microbiol Immunol. 46. 613-620 (2002)

  • [文献書誌] Oda T., K.Murakami, A.Nishizono, M.Kodama, M.Nasu, T.Fujioka: "Long-term Helicobacter pylori infection in Japanese Monkeys induces atrophic gastritis and accumulation of mutations in the p53 tumor suppressor gene"Helicobacter. 7. 143-151 (2002)

  • [文献書誌] Sumie A., T.Yamashiro, K.Nakashima, M.Nasu, M.Watanabe, A.Nishizono: "Comparison of genomic structures and antigenic reactivities of orthologous 29-kilodalton outer membrane proteins of Helicobacter pylori"Infect Immun. 69. 6846-6852 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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