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2001 年度 実績報告書

ヒトインフルエンザウィルスにおける受容体認識の新たな分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 13670302
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

信澤 枝里  名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (90183904)

キーワードインフルエンザウイルス / レセプター
研究概要

1)ニワトリ血球凝集能を欠如したウイルス(Ch-)はニワトリ血球を凝集しないが、ヒト血球を凝集する。そこで、両血球上のシアリル糖鎖の構造を解析するため、まず両血球上の糖タンパク質を酸素により遊離後、さらに糖鎖を切り出しHPLCを用いてアミノカラムによりシアリル糖鎖を分画した。その結果、両血球にはともにmono-sialyl, di-sialylの分画でピークが見られた。このうち、di-sialyl分画の溶出時間には両血球で違いが見られた。この違いがCh-ウイルスにより認識されるレセプターの違いであるのかを明らかにするためこの分画をODSカラムにより解析している。
2)一方、MDCK細胞上のレセプターに対するCh-ウイルスの結合能を検討した。その結果、Ch-ウイルスは、従来のH3N2ヒトインフルエンザウイルス(Ch+)にくらべ、細胞上のレセプターに対する結合能が低下していた。一般的にヒトインフルエンザウイルスはSAα2,6Galを認識することが知られている。そこで、MDCK細胞上のSAα2,6Gal量をHPLCにより分析した。その結果、MDCK細胞上のSAα2,6Galの量は全シアル酸量の約50%を占めていた。従ってCh+ウイルスはこの細胞上のSAα2,6Galを認識していると考えられるが、Ch-ウイルスは認識できない。そこで、細胞上のシアル酸を除いた後、人工的にシアル酸を導入した細胞を作成して、Ch-ウイルスの結合能を検討した。その結果、Ch-ウイルスの結合能が著しく回復した。従って、Ch-ウイルスがレセプターとして認識している糖鎖構造は、従来のCh+ウイルスのそれとは明らかに異なり、少なくとも用いたシアル酸転位酵素の特異性から判断するとSAα2,6Galβ1,4GlcNAc構造を含む特定の糖鎖構造である可能性が強まった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] C.Luo: "Analtsis of desialidation process of the haemagglutinin profein of influenza B virus : host-dependent desialidation step"Journal of General Virology. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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