1。パラインフルエンザ4A型ウイルス(HPIV-4A)のL蛋白貿の遺伝子、約7000bpのうち、約4500bpの決定を行った。 2。ヒトCD98HC(FRP-1)発現transgenicマウス(Tgマウス)を2匹作製した。これをもとに繁殖させ、サザンブロット法で陽性のものについて、臓器の凍結切片を作製し、ヒトCD98HCに対するモノクローナル抗体(mAb)(FITCラベル)を使用し直接蛍光抗体を行ったところ、胃、小腸、肺が陽性であった。TgマウスにおけるヒトCD98HCの役割は不明だった。 3。Tgマウスをさらに繁殖させ、16匹を得た。このマウスからフェノール法でDNAを精製し、PCR法でヒトCD98HCを検出したところ10匹が陽性だった。これらのマウスをかけ合わせ、ホモのマウスを作り、その後、パラインフルエンザ4型ウィルス感受性、組織分布の解析などを行う予定である。 4。マウスのCD98HCのmAb19個のうち9個について、培養土済からproteinGカラムで精製、濃縮した。これらmAbのマウス脾臓細胞(リンパ球)のconcanavalinAによるmitogenesisに対する作用を、BrdUの取り込みを測定することで解析した。9個のうち2個がmitogenesisを抑制した。また刺激リンパ球のCD98HCの発現をFlow cytometry法で調べたところ、刺激1時間ですでに発現の増加が認められ48時間で最大となった。これらのことからCD98HCがリンパ球増殖で必須の役割をしていることが明らかとなった。
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