研究課題/領域番号 |
13670320
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 満 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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研究分担者 |
松島 明美 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教務員 (70116862)
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キーワード | リンホトキシン / シグナル伝達 / NF-κB / TNFレセプター / ノックアウトマウス |
研究概要 |
私達はさまざまな遺伝子の発現を調節する転写因子NF-κBの誘導に関わるNF-κB-inducing kinase(NIK)の突然変異マウス(alyマウス)では、リンホトキシンレセプターのシグナル伝達が障害されていることを見い出している。すなわち、alyマウス由来のEF細胞ではアゴニスト作用をもつリンホトキシンレセプター抗体を作用させても、胎仔線維芽細胞(EF細胞)上のVCAM-1発現の増強が認められなかった。このことは、リンホトキシンノックアウトマウスとalyマウスが、リンホトキシンのシグナル伝達について、それぞれリガンドとレセプターの異常に対応するマウスであることを明確にしたものである。本年度は、この知見を切り口として、リンホトキシンレセプターのシグナル伝達機構を解析した。すなわち、リンホトキシンレセプター経路について、NIKの下流に位置すると考えられるIκB kinase(IKKα)の関与を明らかにした。すなわち、alyマウス、IKKαノックアウトマウス、および正常マウスから樹立したEF細胞をアゴニスト作用をもつ抗リンホトキシンレセプター抗体で刺激し、IκBαのリン酸化をWestern blot法により解析した。その結果、alyマウスの場合と同様に、IKKαのノックアウトマウスにおいてもリンホトキシンレセプターを介するIκBαのリン酸化障害を見い出し、リンホトキシンレセプターシグナル伝達経路におけるNIK-IKKαの役割を明らかにすることが出来た。また、それぞれのマウスから樹立したEF細胞にNF-κBのレポーター遺伝子を導入後、抗リンホトキシンレセプター抗体で刺激し、レポーター遺伝子の活性を指標として、リンホトキシンレセプターを介するNF-κBの活性化を定量化する系により、NIK-IKKαが、TNFレセプターの下流では必須ではないのに対して、リンホトキシンレセプターの下流では必須の役割をもつことを明確にした。
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