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2002 年度 実績報告書

補体レクチン経路の新規セリンプロテアーゼと活性化機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670321
研究機関東海大学

研究代表者

松下 操  東海大学, 工学部, 教授 (00165812)

キーワード補体 / レクチン / セリンプロテアーゼ / MASP / MBL / ficolin
研究概要

マンノース結合レクチン(MBL),L-ficolin/P35及び博多抗原(H-ficolin)はセリンプロテアーゼMASPとの複合体としてヒト血清中に存在するレクチンであり、一旦細菌等の表面糖鎖へ結合するとMASPがC2,C3,C4を分解することにより補体系を活性化する(レクチン経路)。MASPにはMASP-1,MASP-2および最近発見され機能が不明なMASP-3がある。更に、MASP-2のスプライシングバリアントであるsMAPもMBLやL-ficolin/P35と結合している。MBLは主に3つのサイズのオリゴマー構造をとり、結合しているMASPやsMAPの組成は各オリゴマーにより異なる。レクチン経路の活性化機構に関する本研究では次の点を明らかにすることを主な目的とする。1)MASP-3の機能の解明。2)MBLの各オリゴマーにおけるMASPの機能と活性化機構。3)MBL-MASPとL-ficolin/P35-MASPの活性化機構の比較。本年度の成果は以下の通りである。
(1)ヒトグリオーマ細胞株の一つのT98Gが、H-ficolin, MASP-1及びMASP-3を産生していることをRT-PCRとwestern blottingを用いて明らかにした。これは、脳の局所免疫においてこれらのレクチン経路成分が働いていることを示唆している。(2)ヒト血清L-ficolin/P35とリコンビナントMASP-1,MASP-2,sMAPとの結合を検討し、MBLとMASP間の結合と同程度の解離定数で結合することを明らかにした。(フランスのグループとの共同研究)。(3)MASP-1には血液凝固系の第IX因子に対する分解活性があり、MASP-2には弱い活性が、またMASP-3には本活性がないことがわかった。これは、3量体MBL-MASP-1複合体の機能が血液凝固系を活性化することにより、自然免疫に関与していることを示唆している。(化血研およびフランスのグループとの共同研究)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Zhao, L: "LPS-induced platelet response and rapid shock in mice : contribution of O-antigen region of LPS and involvement of the lectin pathway of the complement system"Blood. 100. 3233-3239 (2002)

  • [文献書誌] Satomura, A: "Significant elevations in serum mannose-binding lectin levels in patients with chronic renal failure"Nephron. 92. 702-704 (2002)

  • [文献書誌] Endo Yuichi: "Functional characterization of human mannose-binding lectin-associated serine protease (MASP)-1/3 and MASP-2 promoters, and comparison with the Cls promoter"International Immunology. 14. 1193-1201 (2002)

  • [文献書誌] Cseh, S: "Characterization of the interaction between L-ficolin/P35 and mannanbinding lectin (MBL)-associated serine proteases-1 and -2"Journal of Immunology. 169. 5735-5743 (2002)

  • [文献書誌] Kuraya Mikio: "Expression of H-ficolin/Hakata antigen, and mannose-binding lectin-associated serine protease (MASP)-1, and -3 by human glioma cell line T98G."International immunology. 15. 109-117 (2003)

  • [文献書誌] Endo Yuichi: "Origin of mannose-binding lectin-associated serine Protease (MASP)-1 and MASP-3 involved in the lectin complement pathway traced to the invertebrate, amphioxus"Journal of Immunology. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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