研究課題/領域番号 |
13670344
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 勇司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (30163017)
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研究分担者 |
後藤 純雄 国立環境研究所, 循環技術システム研究開発室, 室長
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キーワード | 神経毒性 / 神経細胞 / 膜電位 / 小核 / アポトーシス / 電磁場 / シスプラチン / エチルニトロソウレア |
研究概要 |
本研究には、我々が樹立したハイブリッド株(神経細胞x神経芽細胞腫)を用いた。 1.経毒性物質の神経電位活動障害性に関する研究 ハイブリッド株の膜電位が神経毒性物質のシスプラチンにより抑制されることを明らかにしてきた。しかし、蛍光光度計を用いて検討する場合に、ハイブリッド株を生着してあるカバーガラスに反射する励起波長成分が測定に影響を及ぼすことが明らかとなった。そこで、阻害波長成分を通過させずに蛍光波長のみを通過させるミラー型のフィルターを開発した。シプラチンでフィルターなしでの場合と比較して感度が10倍ほど向上した。ついで、他の神経毒性物質について検討した。ニコチンおよびメタノールについて検討したところ、両物質ともに神経伝達抑制作用を示した。 2.色体異常誘発生およびアポトーシス誘発生に関する研究 神経毒性の1つの指標として染色体異常およびアポトーシス誘発生を用いた。これまでに、シスプラチンにて両毒性を示すことを明らかにしてきた。今回さらに、神経毒性物質であるエチルニトロソウレアについて検討したところ、染色体異常およびアポトーシスを誘発した。 染色体異常やアポトーシスを起こした細胞は細胞増殖に影響が認められることが知られていることから、シスプラチンとエチルニトロソウレアについて検討した。両物質ともにハイブリッド株の増殖を抑制した。 疫学調査報告によると、電磁場曝露により脳腫瘍が誘発されることが疑われている。予備試験として、電磁場曝露により変異原性が認められるかを検討した。Ames試験で陰性、in vivo小核試験で陽性の結果を得た。今後、ハイブリッド細胞にて検討する。
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