研究課題/領域番号 |
13670351
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 しづ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60225274)
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研究分担者 |
庄司 憲明 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (70250800)
阪本 真弥 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (90157686)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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キーワード | 高齢者 / 味覚異常 / 全身疾患 / 服薬 / 疫学調査研究 |
研究概要 |
味覚異常は、高齢者にも多くみられる加齢的変化との関連が指摘される疾患である。とりわけ高齢者の味覚異常の原因は、加齢的変化をベースに全身疾患、薬物の副作用、亜鉛欠乏など、種々の因子が複雑に関連し合いその原因を明らかにすることは難しい。しかしながら、これまで高齢者の味覚異常に関する疫学調査研究は少なく、その実態は不明な点が多い。そこで本研究は、高齢者の味覚異常の実態とその原因を疫学的に明らかとすることを目的に行った。今年度は、老人ホームなどの高齢者施設において、研究の目的・方法十分に説明して研究参加への同意を得た65歳から94歳の計71人を対象に、テーストディスク法による味覚検査および全身疾患・服薬に関する詳細な調査を行い以下の結果を得た。1)全調査者中36.6%に軽度から中等度の味覚異常が検出され、90歳未満では味覚異常発現率に差はなかった。2)味覚異常は全身疾患および服薬を有する高齢者で有意に多く検出された。3)味覚異常者の多くは、味覚異常や口腔乾燥症を引き起こす副作用のある薬剤を服薬していた。本調査結果から、高齢者の味覚異常患者においては、全身疾患と服薬に関する詳細な検索が必要不可欠であり、全身疾患に係わる主治医との連携による総合的な味覚治療が重要であることが判明した。わが国においては急速な高齢化が進行中であり、全身疾患の投薬時における副作用としての味覚異常発症を考慮した治療薬の選択は、高齢者の健康とQOLを維持する上で、また医療費の削減の点からも意義があると思われる。
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