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2002 年度 実績報告書

大阪都市圏における結核の高蔓延構造の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13670363
研究機関大阪大学

研究代表者

高鳥毛 敏雄  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20206775)

研究分担者 多田羅 浩三  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20107022)
中西 範幸  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90207829)
キーワード結核対策 / まん延構造 / 分子疫学 / RFLP / クラスター / 大阪都市圏 / 保健所
研究概要

全国の中で最も結核罹患率が高い大阪都市圏の結核のまん延構造を発生患者の結核菌株を用いた分子疫学的手法により解明することを目的として実施している。本年度行ってきたことは2点である。一つは、大阪都市圏は、指定都市、中核市、政令市から構成されており結核行政主体が別れている状況にあり、都市圏域を単位に結核患者の研究を行うことが難しい。そこで大阪府内の結核診療を行っている主要病院と結核菌検査に関する連絡会を開催し、医療圏域単位で蔓延状況を解明する準備を行った。2点めは研究体制の構築と研究体制が整った堺市地域において結核菌株について分子疫学的な検討を試みた。1999年〜2001年の間の堺市に新発生結核患者の菌株227株についてRFLP分析を行った。227株中67株(29.5%)については20個の同一クラスターの形成がみられた。171株(75.3%)については80以上の類似係数を示すクラスターの形成を認めた。同一クラスター形成率、類似クラスター形成率は1999、2000年には高かったが、2001年にはいずれも急激に低下していた。同一クラスターの形成には、年齢別では50歳代の患者が最も多く関わっていた。年齢階層間には、若年層と中年層、高齢層と中年層とに共通したクラスターが見られたが、若年層と高齢層に共通したクラスターは見られなかった。このことは結核感染の経路に、高齢層から中年層、中年層から若年層の2種類があることが示唆された。家族感染以外の社会の中の感染経路を明らかにしていくためには、結核菌株の分析とあわせて、患者に対する聞き取り調査を担当している保健所の疫学調査の徹底も重要であり、次年度にはこの点を踏まえた分析を行うことを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高鳥毛敏雄: "都市問題としての結核とその対策"結核. 77・10. 679-686 (2002)

  • [文献書誌] 高鳥毛敏雄: "保健現場が着目すべきマイノリティとは"保健婦雑誌. 58・6. 454-459 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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