研究課題
基盤研究(C)
1.通常学級に在籍する、特別な教育的支援を心と発とする子どもたちの実態地域の小・中学校における注意欠陥多動性障害(以下ADHD)が疑われる児童・生徒の割合は、それぞれ3.2%および2.4%であった。男女比では、小学校は8:1であったが、中学校では3:1と比率は低下していた。これは中学校に入り不注意優勢型のADHDが相対的に増加するためと考えられた。別の地域の小学校における、学習障害(以下LD)、ADHD、高機能広汎性発達障害(以下HFPDD)が疑われる児童の割合は、それぞれ4.3%、2.6%、1.0%であった。重複も存在するため、いずれかを有する児童の割合は5.6%であった。この調査は2002年文部科学省が行ったアンケート調査に準じて行ったが、文部科学省が報告した6.3%という値に近いものであったと考える。このように、地域の小・中学校の通常学級には、これら特別な教育的支援を必要とする児童・生徒が少なくとも複数名在籍することが観察された。通常学級の担任教師も、これらの障害に対する理解を十分に持つことが求められていることがわかった。2.米国における現状オハイオ州コロンバス市における特別支援教育のシステムの中で、日本の教育委員会研修センターに相当するSERRC(特別支援教育地域資源センター)の機能が興味深かった。あらゆる障害に対する情報を把握しており、さらには教師を指導するスーパーバイザーが要請に応じてどこの学校にも出張するシステムであり、日本も見習うべきシステムであると考えられた。カリフォルニア州モラーガにあるオライオンアカデミーは、HFPDDの生徒だけを対象とする私学の高校であり、ユニークなカリキュラムを有していた。HFPDDの生徒が必要とするスキルを、犬を使ったアニマルクラスなどを通して教授しており、日本でもこのような学校の設立が望まれる。
すべて 2004 2003 2002
すべて 雑誌論文 (12件)
和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要 第14集
ページ: 11-17
和歌山大学教育部教育実践総合センター紀要 第14集
ページ: 19-23
Bulletin of Center for Educational Research and Training, Faculty of Education Wakayama University No.14
和歌山大学教育部紀要(教育科学) 第53集
ページ: 39-47
悠(はるか) 第20巻
ページ: 94-95
Bulletin of the Faculty of Education Wakayama University (Educational Science) Vol.53
Haruka Vol.20, NO.12
スキエンティア 第15号
ページ: 8-11
養護学校の教育と展望 第126号
ページ: 10-15
Scientia NO.15
Yogogakko No Kyouiku To Tenbou No.126