研究課題/領域番号 |
13670368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小西 正光 愛媛大学, 医学部, 教授 (40274328)
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研究分担者 |
岡田 克俊 愛媛大学, 医学部, 助手 (10314949)
藤本 弘一郎 愛媛大学, 医学部, 助手 (30243778)
加藤 匡宏 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60325363)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 頸動脈超音波検査 / 脳血管疾患 / 生活体力 / ズリ応力 / 動脈硬化 / フローサイトメーター |
研究概要 |
我が国では、欧米と比べ脳梗塞罹患率は高く、また今後増加が危惧されている虚血性心疾患も含めた循環器疾患予防対策が公衆衛生上急務である。 本研究では、血液の機能的指標のうち特にIL-6受容体活性の亢進が、頸動脈超音波検査による動脈硬化度のうちプラーク指標と関連を認め、一方でMean-IMTとは有意な関連が認められなかったことから、生理的に近いと思われる内中膜肥厚からプラーク形成に至る過程へのIL-6受容体の関与が明らかとなった。既に報告されている実験病理的検討では、IL-6はプラーク巣内におけるMφ遊走等に関与するとされていることから、本研究におけるIL-6受容体活性の亢進は、これらの病理学的報告を裏付けるものである。また、この活性を亢進させる機序として、ズリ応力の亢進がplaqueの増加と関連していたことから、機械的作用も生体内で重要な役割を果たしていると考えられる。 Case-control studyでは、日本人においても欧米と同様に、頸動脈超音波検査による動脈硬化度と脳梗塞有病との関連が認められた。しかし我が国に多い穿通枝系脳梗塞では、地域住民と比べても、その動脈壁肥厚は著しくなく、頸動脈超音波検査を穿通枝系脳梗塞のスクリーニング指標として単独で用いるには計測項目のさらなる検討が必要である。本研究結果からは、IL-6受容体活性を同時に測定することにより、特に動脈壁肥厚が中等度以下の場合の脳梗塞有病との識別が効果的に行える可能性が示唆された。このことは、同程度の動脈壁肥厚でも、動脈硬化がactiveに進行している最中であるかどうかを加味したスクリーニングとなると考えられる。 日常生活習慣・体力に関する検討では、日常生活体力の低下と動脈硬化度が密接に関係していたことから、日常生活体力の維持が動脈硬化予防及びその後の循環器疾患予防にとって重要であることが明らかとなった。
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