研究課題/領域番号 |
13670374
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
加藤 貴彦 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70169506)
|
研究分担者 |
黒田 嘉紀 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50234620)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | シトクロームP450 / スルフォトランスフェラーゼ / N-アセチルトランスフェラーゼ / ビタミンDレセプター / 遺伝子多型 / 分子疫学 / 個体差 / 尿路上皮癌 |
研究概要 |
環境中化学物質に関与する薬物代謝酵素(Cytochrome P450、Glutathione S-transferase(以下GST)、phenol-sulfating phenol sulfotransferase (以下ST1A3)、N-acetyltransferase (以下NAT))、ビタミンDレセプターの遺伝的個体差(遺伝子多型)と1)発癌性との関連性について、2)個体差のある遺伝子と行動変容との関連性について研究を行い以下のような成果を得た。 1)遺伝子多型と発癌性に関しては、Benzo(a)pyreneの代謝に関与する、Glutathione S-transferase (GST) M1、ハロゲン化メタンを代謝するGST T1、ニトロサミンの代謝に関与するCytochrome P4501A1、2A6、2E1、アリルアミン代謝に関与するST1A3、NAT2の7つの薬物代謝酵素、ビタミンDレセプターの遺伝子多型と胃癌、尿路上皮癌、前立腺癌、喫煙との関連性を分子疫学的に解析した。その結果、CYP2A6欠損型が胃癌発症の遺伝要因であることを明らかとなった。しかし、CYP2A6欠損型、CYP2E1の遺伝子多型と尿路上皮癌との関連性は認められなかった。NAT2とST1A3の遺伝子多型と尿路上皮癌との関連性が認められた。CYP1A1遺伝子多型、特にGSTM1との組み合わせたところ、前立腺癌との関連性が認められた。さらに、ビタミンDレセプターの遺伝子多型と前立腺癌、腎癌との有意な関連性が認められた。また、NAT2の遺伝子型で分け、喫煙量と発癌危険度との関連性を解析したところ、遺伝子型によってその危険度パターンが異なることが示された。同様の結果がNAT2の遺伝子型にも観察されており、化学物質の曝露に対して感受性が異なる集団の存在が示唆された。 2)飲酒に関連性した癌に関連した感受性遺伝子マーカーを禁煙および節酒支援への行動変容のツールに用いることの検討ため、職域フィールドを設定した。社員対象者のうち、56%が飲酒関連性遺伝子のフィードバックに同意した。
|