| 研究概要 |
本年度は研究期間の1年目として,地理情報システム(GIS)構築に際しての必要な保健・医療・福祉に関するデータの収集を行い,医療施設等の各種施設の位置情報に関するデータの整理を行った.また,GIS構築に関する基礎的な検討をあわせて行った.具体的な内容は,以下のとおりである.
1.埼玉県市町村の保健・医療・福祉に関するデータの収集
既存の資料から,人口動態統計,医療施設統計,老人保健事業報告,老人保健施設報告,社会福祉施設調査,医療費等の保健・医療・福祉に関するデータを収集し,市町村単位にデータベースの作成を行った.
2.位置情報の確定
市町村役場については住所から地図上の位置を決定し,アドレスマッチングを行った.医療機関や社会福祉施設等については,施設数が多いため,一部についてアドレスマッチングを行ったに留まっている.これらの位置情報については,市販されているデータもあるが,かなり精度が悪いという情報もある.また,施設の開設,廃止,移転等に伴う位置情報のフォローアップが困難となるため,対象施設についてはさらに検討を要する.
3.GISの実現方法の検討
近年,保健・医療・福祉分野へのGISの応用が急速に注目され,様々なシステムが提案されている.そのため,文献の収集を行い,わが国におけるこれらの取り組みの現状について把握を行った.その結果に基づき,「疫学的な分析および保健福祉事業の評価への活用」という視点から,システムの概要についてさらに検討を進めているところである.
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