研究課題/領域番号 |
13670379
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
中田 眞由美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教授 (60207818)
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研究分担者 |
伊元 勝美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (90336496)
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キーワード | 糖尿病 / 末梢神経障害 / 視覚障害 / 知覚障害 / 血流量 / 点字触読 / 国際情報交換 / アメリカ合衆国 |
研究概要 |
1.本研究目的:糖尿病による中途視覚障害者の点字触読に関する問題点を明らかにし、適切な指導法を検討する。 2.研究方法:対象は糖尿病による中途視覚障害者13名(糖尿病群:平均年齢43.5±12.7歳)とその他の原因による視覚障害者6名(非糖尿病群:平均年齢50.4±14.0歳)である。方法は4分間の点字触読を連続3回(合計12分間)繰り返し、その間の血流量と触覚閾値よ変化について調べた。(1)血流量は点字触読指(示指)の爪に血流計を貼り、触読開始前と触読中に測定した。(2)触覚閾値は触読開始前と4分間の触読後の3回、触読指と非触読指(対側示指)にて測定した。 3.結果:(1)触読開始前の血流は、糖尿病群で31.9ml/min/100g、非糖尿病群で39.2ml/min/100gであった。糖尿病群では最初の4分間では34.5ml/min/100gと血流量の増加を示したが、その後やや減少する傾向にあった。非糖尿病群では触読後血流量は有意に増加した。(2)触読開始前の触覚閾値は、糖尿病群の触読指で平均6.2g/mm^2、非触読指で5.5g/mm^2であった。触読開始後、触読指の閾値は2.5g/mm^2、7.1g/mm^2、3.7g/mm^2、と変化し、2回目の触読後(4〜8分後)にもっとも上昇した。非糖尿病群では、触読開始前の触覚閾値は触読指、非触読指ともに平均2.3g/mm^2であった。その後、点字触読により閾値は変化したが、最終的に触読指では1.8g/mm^2、非触読指は1.1g/mm^2と、明らかに低くなった。 4.結論:糖尿病視覚障害者では4分間の点字触読で血流量は増加し、触覚閾値は低くなるが、その後血流量は減少し、閾値は上昇した。このことより、糖尿病による視覚障害者が点字触読を学習する際は、触読時間は4分間が適当で、それ以上触読を持続することは望ましくないと考えられた。
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