昨年度の予備調査の結果に基づいて、地域住民を対象にした場合に実施可能な研究プロトコルを定めた。対象者は長野県、大阪府、鳥取県、沖縄県の住民で、年齢は妻の年齢を基準にして30歳代〜60歳代の各年代8組の夫婦を地域ごとに選んだ。全地域を合計すると男女各128名で、総計256名であった。年齢階級別にみると、男女とも各年代32名となった。食事摂取の評価法には秤量食事記録法を採用し、わが国の食生活の季節変動を考慮して春夏秋冬の各時期に4日間(原則として、調査期間は2週間として月曜日、木曜日、土曜日、火曜日の順に実施)、1年間に16日間の調査を実施することにした。食事記録内容の確認には、FAXを利用する方法を導入し、対象家庭に1名の担当栄養士を定めた。対象者は、1日分の食事記録が終われば、その記録用紙を担当栄養士にFAXで送信した。担当栄養士は記載内容を確認し、不明な点や未記入箇所を電話またはFAXで対象者に問い合わせて食事記録票を完成させた。食事調査は四季に実施されるが、担当栄養士は原則として全期間同一者となるような配慮がなされた。 第1回目の調査時(2002年11月〜12月に実施)には、土曜日〜日曜日にかけての24時間蓄尿を1回、早朝空腹時に20mlの採血を1回実施した。次回の蓄尿と採血は、2003年11月〜12月に実施する予定である。 食事調査による食事摂取の指標は、16日間の食事調査から算出した栄養素等摂取量の平均値とする。食事摂取の生化学的指標は2回の24時間蓄尿と採血に基づいて定める予定である。ビタミン類、ミネラル類、たんぱく質等の摂取量を示す指標を用いる予定である。
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