背景:コンピュータを用いずにインターネットへアクセスすること(Wireless Internet Acccess、Mobile Internet)が可能となり、インターネット利用は目覚しい普及を遂げつつある.このインターネット対応「携帯電話」は、コンピュータと比し操作性がよく利用が簡便である.また、利用者の多くは三十代以下であり、特に二十代の若年の利用率が高い.この二十代は喫煙率が高いが、健康問題を意識しにくい世代でもある.さらに、若年者は、禁煙を希望する場合でもグループ療法を嫌い、自力での禁煙をめざす傾向がある. 進行状況:私たちは禁煙普及のために、専門家からの助言や情報を24時間対応で即時に受けることができる「携帯電話」の禁煙プログラム「卒煙ネット」を開発した.「卒煙ネット」では、喫煙衝動が生じた場合、簡単に携帯電話からアクセスし即時にメッセージを受け取れる(即時性・即応性).全国どこの地域に住んでいても同質のサポートが受けられる(広域性).さらに医療者に対面しなくてよいので、失敗を恐れず気軽に試用することができる(匿名性).これにより、禁煙を達成する自信のない人や、禁煙への動機固めができていない層にも働きかけることができる. 2001年2月1日〜10月4日の期間に卒煙ネットを利用しプログラムを終了した人は3045名で、男性は1446名(47%)、女性は1599名(53%)であり利用者に性差は認められなかった. 現在、「卒煙ネット」の特性と有効性の評価を多岐の項目にわたり調査検討中である. 「卒煙ネット」:詳細はhttp://skygarden.shogakukan.co.jp/sol/situen_net/へ。J-skyのオフィシャルコンテンツ、アクセス法:「ライフナビ」→「スタイリッシュライフ」→「卒煙ネット」 阿部の連絡先:drmayumi@venus.dti.ne.jp
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