研究分担者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90257452)
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
斎藤 重幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60253994)
坂田 清美 和歌山県立大学, 医学部, 助教授 (50225794)
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研究概要 |
国際共同研究INTERMAPの一環として日本の4地域において行われた2回の24時間蓄尿の一部検体を用いて,尿中アルブミンとC-ペプチドを測定した。その結果からアルブミンの一日排泄量が2回とも30-300mgであったものを微量アルブミン(MA)尿陽性,1回ないし2回陽性であったものをMA可能性(MAP)尿陽性とした。なお,マクロアルブミン尿(300mg/日以上)10名と糖尿病と考えられる者(血糖降下剤やインスリン注射による治療中の者,HbAlcが5.8以上である者)71名は対象から除外し,男性535名、女性536名、計1071名について解析を行った。 MA尿陽性率は男性27名(5%)、女性9名(1.7%)であり,女性に比べ男性のMA尿陽性率が高かった。しかし、年代別による陽性率の相違はなかった。同様に、MAP尿陽性率は男性で7.4%、女性で4.5%と、男性が有意に高かったが、40代では有意な性差は認められなかった。 血圧値が収縮期血圧140mmHg以上,または拡張期血庄90mmHg以上、あるいは降圧剤内服中の者を高血圧とした時,男女共にMA尿あるいはMAP尿陽性者の高血圧有症率が陰性者に比べ有意に高率であり,多重ロジスティック回帰分析を用いて年齢とBMIを調整した場合でも同様な結果が得られた。しかし,高血圧に関連の深い食塩摂取量や,その指標である尿中NaやNa/K、インスリン分泌を反映する尿中C-ペプチドのMA尿あるいはMAP尿の有無による相違は男性では認められず,女性のMA尿あるいはMAP尿陽性群の尿中Na排泄量が陰性群に比べ有意に高かった。 また,正常血圧者における検討でも男性ではMAP尿陽性者は比較的拡張期血圧が高いが,食塩負荷との関連は認められなかった。しかし,女性のMAP尿陽性者では食塩負荷量に従って拡張期血圧が上昇しており,食塩摂取との関連性がより強いことが推察された。
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