研究課題/領域番号 |
13670394
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90257452)
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研究分担者 |
新村 哲夫 富山県衛生研究所, 環境保健部, 副主幹研究員
由田 克士 国立健康栄養研究所, 健康栄養調査研究部, 室長 (60299245)
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
岡山 明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60169159)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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キーワード | 血圧 / セレン / 疫学 / 栄養 / 尿中排泄 / 食事調査 |
研究概要 |
本研究は、栄養と血圧に関する4ヵ国国際共同研究INTERMAPの一環として、わが国から参加した健常成人の4集団計約1,200人における食事中セレン摂取量、血清セレン濃度、24時間尿中セレン排泄量と厳密に測定された血圧値との関連を明らかにするものである。 富山、和歌山、北海道の職域および滋賀の地域の各センターにおいて無作為抽出された40-59歳の男女約300人ずつ、計1,145人(男574人、女571人)に対しランダムゼロ血圧計による8回の標準化された血圧測定、4回の厳密な24時間思い出しによる食事調査、2回の24時間蓄尿を実施した。INTERMAP日本の食品成分表をもとにしたセレンについての成分表の作成を実施し、セレン摂取量を算出した。尿中セレン濃度測定は計約2,300検体における測定を行い、24時間尿中セレン排泄量の2回平均値を算出した。また、血清セレン濃度を富山センターの299検体について絶対検量線法にて測定した。血圧値は8回測定の平均値を用いた。 食事調査から評価された平均セレン摂取量は1日あたり171μg(男191μg、女151μg)であり、1000kcalあたりの摂取密度は85μg(男女とも85μg)であった。摂取密度は滋賀が最も高く(99μg)、富山が最も低かった(71μg)。富山における血清セレン濃度は121ng/ml(ppb)(男126ng/ml、女117ng/ml)であったが、セレン摂取密度との有意な相関は認めなかった。セレン摂取密度は総蛋白摂取密度(r=0.53)および動物性蛋白摂取密度(r=0.53)と強い有意な正相関を示した。肥満度、飲酒量、ナトリウム・カリウム摂取量をモデルに含めた重回帰分析により、血圧値とセレン摂取密度・血清セレン濃度との独立した関連を検討したが、有意な関連は認めなかった。尿中セレン排泄量については解析進行中である。
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