研究課題/領域番号 |
13670405
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研究機関 | 文教大学女子短期大学部 |
研究代表者 |
斉藤 貴美子 文教大学女子短期大学部, 教授 (50086899)
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研究分担者 |
辻 眞紀子 文教大学女子短期大学部, 助手 (30331458)
笠岡 誠一 文教大学女子短期大学部, 講師 (00331455)
中島 滋 文教大学女子短期大学部, 教授 (90149782)
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キーワード | 高齢者 / 食事調査 / 栄養摂取状況 / 給食サービス |
研究概要 |
高齢化社会を迎え、食生活を通した老化の防止はきわめて重要である。本研究では、社会福祉施設を利用している高齢者の給食に複式献立を用いた場合の食事調査を行い、その健康および栄養状態への改善効果を調べること、独居高齢者を対象とした給食サービスの現状調査を行うとともに、その栄養素充足に対する効果を調べることを目的とした。 特別養護老人ホームを利用している65歳以上の高齢者32名(男性4名、女性28名)および独居高齢者25名(男性8名、女性17名)を調査対象者としてアンケート方式を用いた食事調査を行った。今年度は、愛媛県温泉郡重信町において実施した。調査は2001年9月から12月に、特別擁護老人ホームでは7日間、独居高齢者に対しては3日間行った。特別養護老人ホームでは、複式献立を記入したアンケート用紙を用い、本人もしくは介護職員が選択した献立に摂取量を記録した。独居高齢者については、調査員が食事内容の聞き取り調査を行った。調査後、オリンパス光学製「栄養相談室」を用いて、対象者ごとに1日当たりの栄養素摂取量を求め、充足率を算出した。 特別擁護老人ホームを利用している高齢者の栄養素充足率はカルシウムと鉄がやや不足している以外は、いずれも100%以上であった。この結果は、以前に報告者らが行った複式献立が導入される以前の結果と比べると、すべての栄養素において充足率が向上していた。したがって、特別擁護老人ホームでは、複式献立を導入したことにより、利用者の栄養状態は向上したことが示された。また独居高齢者においては、全体の栄養素充足度は施設利用者を比べると低いものの、昼食の給食サービスを受けている対象者では、栄養素充足度が高くなる傾向が認められた。今後、例数を増やして検討する必要があるものの、独居高齢者において、給食サービスは栄養状態の向上に寄与できるものと考察された。 栄養素充足度と身体状況との関連を調べるために導入した体脂肪計について、予備試験を行った結果、体脂肪をBMIとは正の相関関係が認められるものの、体幹部の脂肪量は必ずしもBMIを反映していなかった。今後肥満状況の把握に関して、体脂肪計の重要性が示唆された。
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