前年度の食事調査を行った一人もしくは夫婦のみで生活している高齢者(独居高齢者)を対象として、身体状況調査を行った。身体状況は、身長、体重、BMIおよび体脂肪率を測定した。体脂肪率はタニタBC-118型およびTBF-300を型を用いて、全身、右足、左足、右腕、左腕、および体幹部の体脂肪率をそれぞれ測定した。 身長、体重およびBMIの平均値は同年代のそれらの平均値とほぼ等しく、対象者の身体状況は正常であると考えられた。しかし、体脂肪率はBMIと比較するとほとんどの対象者において高くなっていた。また、体の部位では、体幹部の体脂肪率が高い傾向が認められた。 これらの結果より、対象とした独居高齢者においては、BMIは正常であるが体脂肪率が高い正常体重肥満(隠れ肥満)者が多いことが示唆された。特に体幹部の体脂肪率が高いことから内臓脂肪が多いことが推察される。対象者のエネルギー充足度の平均値は107%であり、ほぼ適性であった。したがって、正常体重肥満者が多くなった原因としては、エネルギー出納の不規則性(エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランスが短い周期で変動している)が考えられる。今後、エネルギー出納に期間変動を調べる必要性が示唆された。 一般的に、内臓脂肪の増加はインシュリン非依存型糖尿病などの生活習慣病の発症要因となる。したがって、適切な運動(徒歩などの有酸素運動)を行い、内臓脂肪を減少させる必要性があると考えられた。
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