厚生労働省大臣官房統計情報部に対し、目的外使用申請を行なって入手した人口動態出生票、死産票、死亡票に関する平成7年以降平成11年までのデータを磁気テープ(コピーテープ)で、出生票、死産票については胎児数が双子以上のもの、死亡票は生後1年未満の死亡で胎児数が双子以上のものを用いた。それぞれの磁気情報を、同項目が同カラムになるようにデータ加工し、それぞれの年次ごとに、生まれたところ(市町村コード)、生年月日、父母の年齢でソートし、隣り合ったものでそれぞれが等しいことを確認しながら同一妊娠による組を同定した。また、生後1年未満の死亡票も、同様にして同一例の出生票とリンクさせた。 処理済みのデータを用い、男女別、初産経産別に身長及び体重の妊娠期間別のパーセンタイル値をAltmanの方法に基づき計算した。出生時身長のパーセンタイル曲線を作成すると、40週における単胎の50パーセンタイル値との差は男子で1.8cm、女子で1.4cmであり、双胎と単胎の差は、身長の場合体重に比べて、小さいことが分かった。 異性双胎と同姓双胎では、異性双胎の方が不妊症治療による二卵性双胎の割合が大きい。検討により異性双胎の方が生物学的脆弱性(リスク)がより強く現われてくるような年次推移が見られた。具体的には、周産期死亡率は異性双胎が同性双胎より低いが、その低下の年次推移は同性双胎より遅くなっていることが分かった。また、特に生産と死産の組の場合、異性双胎では体重が小さく、生産の方の死亡率も高いことが分かった。
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