研究課題/領域番号 |
13670410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 国立がんセンター研究所 |
研究代表者 |
花岡 知之 国立がんセンター研究所, 支所・臨床疫学研究部, 室長 (00228503)
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研究分担者 |
山野 優子 昭和大学, 医学部・衛生学, 講師 (30167580)
原 邦夫 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究グループ長 (40250047)
市場 正良 佐賀医科大学, 社会医学, 助教授 (60184628)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 環境疫学 / 分子疫学 / バイオマーカー / 環境発癌物質 / 多環芳香族炭化水素 / DNA付加体 |
研究概要 |
環境疫学研究では、環境発癌物質の長期、微量、複合曝露とその影響の個人差を反映するようなそれらの物質のDNA付加体や内部曝露量(代謝物)を曝露のバイオマーカーとして利用することが期待されている。しかし、そのようなバイオマーカーにはいくつかの課題が残されている。すなわち、(1)低濃度レベルの内部曝露量を検出できる分析法、再現性のあるDNA付加体分析法の確立、(2)内部曝露量やDNA付加体量の個人差を説明する要因の解明、(3)高濃度曝露を受けている職域集団での妥当性の検証、である。そこで、本研究では、代表的環境発癌物質である多環芳香族炭化水素に曝露されているコークス炉作業者を対象としてこれらの検討を行うことを目的とした。 (1)ベンツ(a)ピレンの直接的な代謝物(3-ヒドロキシベンツ(a)ピレンなど)による内部曝露量評価を確立するために基礎検討を行い、数種類の水酸化物の分離分析が可能となった。さらに感度を向上させるため継続的に検討している。また、(2)コークス炉作業者を対象者としたフィールドでの妥当性研究のプロトコールを作成し、倫理審査委員会の承認を得て、生体サンプルの採取を行い、それらの一部を利用して検討を進めている。同時に、(3)本科学研究費補助金により継続的に行っているコークス炉でのフィールド研究でのデータを詳細に検討したところ、尿中多環芳香族炭化水素代謝物量にシトクロームP450酵素遺伝子の個人差の関与が示唆された。白血球DNA付加体濃度にはシトクロームP4501A1とN-アセチルトランフフェラーゼ遺伝子の個人差が関与していることが示唆された。多環芳香族炭化水素代謝にともなうキノン体などのラジカルによると考えられる酸化DNA付加体の増加は確認できなかった。また、シトクロームP450遺伝子のmRNA量と喫煙との関連が示された。
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