研究課題/領域番号 |
13670416
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
梅津 和夫 山形大学, 医学部, 助教授 (10091828)
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研究分担者 |
大澤 資樹 山形大学, 医学部, 教授 (90213686)
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 講師 (00093633)
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キーワード | PCR法 / ミトコンドリアDNA / SNP / DNA多型 |
研究概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)には数多くのSNPが存在し、個人識別や病気の診断に利用されている。従来、mtDNAの多型判定にはシークエンス法やRFLP法が主として用いられてきたが、コストや迅速性の点で問題があった。今回、APLP法をmtDNAの多型判定に応用して、この方法の有用性を検討した。mtDNAの6ケ所の多型部位(nt3010、4386、5178、8794、10398および9bpのコピー数)を選択し、APLP法にて多くの集団の型判定を試みたところ、正確な型判定が可能であった。ハプロタイプとしては18種類が観察され、これらを新たに命名した。主要なハプロタイプは10種類あり、A1、A2、B2、B3、C2はアジア系の人々に、B5とC5はヨーロッパ系にほほ限定して観察された。A2は日本人では35%程度であったのに対して、日本以外のアジア系集団は20%以下であり、ヨーロッパ系では観察されなかった。B2は、日本人はいずれの集団でも高い頻度を示し、特に沖縄は20%程度の最高値を示した。韓国は約3%であったが、ここ以外の集団では全く観察されなかった。このように、mtDNAのハプロタイプは地域や集団によって大きな頻度の差異が認められ、個人識別や民族識別にも充分応用可能である事が判明した。特に、APLP法を用いれば迅速なmtDNAのハプロタイプ判定ができることから、この方法によるmtDNA型判定の普及が期待される。
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