研究課題/領域番号 |
13670421
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
勝又 義直 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30109326)
|
研究分担者 |
打樋 利英子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20223571)
山本 敏充 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50260592)
|
キーワード | Y染色体 / STR / マルチプレックス / 遺伝的多型 / 高感度検出 |
研究概要 |
Y染色体上のSTR(short tandem repeat)(Y-STRs)について、アメリカ合衆国NISTが開発した10ローカス(DYS436、DYS439、DYS435、DYS19、DYS460、Y GATA H4、DYS391、DYS392、DYS438、DYS437)のY-STRマルチプレックスシステムと、市販のY-PLEX 6キット(DYS393、DYS19、DYS389、DYS390、DYS391、DYS385)を用いて、日本人(名古屋207名、沖縄87名)及びタイ人(117名)について、共通な2ローカスを除く14ローカスのハプロタイプ解析を行った。本年度は、これらのローカスの中から、識別力の高いローカスを選択し、低分子化したDNA試料から高感度にハプロタイピングできるマルチプレックスシステムを2つ完成することができた。1つは3色の蛍光色素を標識した3ローカス(DYS392、DYS438、DYS393)用で、もう1つは4色の蛍光色素を標識した4ローカス(DYS19、DYS389I、DYS439、DYS460)用である。後者は特に有用で、ヒトゲノム10コピー以下である50pgの鋳型DNA試料からも通常のPCRサイクル数(30サイクル)でタイピングが可能になり、サイクル数を増やせば、さらに、少ないコピー数の鋳型からもハプロタイピングが可能になることが示唆された。また、日本人94名から算出されたその4ローカスのHaplotype diversityは0.972と高く、その識別力の点からも非常に有用であることが示された。この成果は、国際学会や国内の学会で発表され、現在、これらの成果をまとめた論文が投稿予定である。本研究費補助金により、目的としたマルチプレックスを構築することができた。
|