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2002 年度 実績報告書

薬物投与後の急死事故における鑑定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 13670427
研究機関九州大学

研究代表者

工藤 恵子  九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10186405)

研究分担者 辻 彰子  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10171993)
西田 尚樹  秋田大学, 医学部, 講師 (10315088)
池田 典昭  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60176097)
キーワード突然死 / 抗精神病薬 / 刺激伝導系
研究概要

抗精神病薬投与後の急死の原因解明と鑑定法の確立
抗精神病薬を長期にわたって摂取している精神科患者が、突然死して司法解剖に付される例にしばしば遭遇する。この急死の原因は解明されていない。
我々は、肥満を伴う精神科患者の突然死2例について、詳細な病理組織学的検討を行うと同時に、摂取された薬物の体組織中濃度の測定を行い、死因の究明を行った。
その結果、事例1に関しては、致死濃度に近いフェノバルビタールが検出されたのと同時に、心臓の房室伝導系に高度の脂肪浸潤、中隔心筋による圧搾を伴うHis束の高度左方変位があり、また肺内小動脈にびまん性に狭窄像を認めた。そこで薬物中毒が死因と考えられたが、刺激伝導系の高度の異常、肺高血圧症の存在は、その値が致死濃度に達せずとも本屍が薬物中毒で死亡した機序を説明する一つの重要な所見になりうると考えられた。
事例2に関しては、薬物濃度はすべて治療域であり、房室結節動脈に高度の狭窄を認めたことから死因は房室結節動脈狭窄による心臓性突然死と判断した。
このように薬物濃度と心蔵の刺激伝導系の詳細な検討から、精神科患者の突然死の原因を解明しようとする試みは他に例がなく、今後の研究の発展によって突然死の発症機序が解明されることが期待される。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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