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2002 年度 実績報告書

植物プランクトン葉緑体関連遺伝子による溺死の証明

研究課題

研究課題/領域番号 13670430
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

平岩 幸一  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60124616)

研究分担者 栗崎 恵美子  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30106356)
郡司 啓文  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20234643)
阿部 すみ子  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50136975)
水澤 郁文  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40192356)
キーワード溺死 / プランクトン / 葉緑体関連遺伝子 / PCR
研究概要

溺死体を証明する為の壊機法にかわる簡便な検査法の確立を目的として、ヒトには存在しない植物プランクトン葉緑体関連遺伝子に着目し、PCR法による植物プランクトンの検出を試みた。ヒト組織へプランクトン含有サンプル水を添加した検討により良好な結果を得た4組のプライマーを選択した。また、死後の動物水没実験を行い、プランクトンが侵入到達する部位を確認した。これらの検討結果を踏まえ、1.溺死体の多くは死後経過時間の長いことがことから、麻酔下にウサギを溺死させた直後、及び冷蔵庫内に1月、2月、3月放置後に心血、臓器を摘出し、PCR法と壊機試験でプランクトンの検出の比較を行った。壊機試験では1月放置の肺、肝、腎でプランクトンが検出できたが、2月及び3月放置後では検出されなかった。PCR法では溺死直後の心血、肺、肝、腎から増幅が確認でき、1月及び2月放置の肺、肝、腎から増幅が見られたが、心血からの増幅は見られなかった。3月放置では心血、肺、肝で増幅が見られた。以上、死後変化により心血、臓器からの植物プランクトン検出に差異が見られた。植物プランクトン葉緑体DNAは保持される環境、時間により何らかの変化がおきると考えられた。2.溺死事例組織及び現場採取対照水について、壊機試験とPCR法によるプランクトン検出の比較を行った。壊機試験で肺からプランクトン検出された事例1ではPCR法では、EG1で肺、EG2で肺,肝及び腎、SK2で腎からプランクトンDNAが検出された。事例2では、EG1で肺,肝及び腎、EG2で腎から検出された。事例3では壊機試験で肺及び肝からプランクトンが検出され、PCR法でもEG1で肺、肝及び腎が陽性であった。壊機試験で肺、肝及び腎からプランクトンが検出された事例4及び事例5では、PCR法でもEG1で肺、肝及び腎からプランクトンDNAが検出された。壊機試験でプランクトンが検出された組織では肝1例を除きすべての組織でPCR法は陽性であった。さらに壊機試験が陰性であった組織からもPCR法によりプランクトンDNAが検出され、PCR法は有用と思われた。今後、水域特異性の高いプライマーの検討が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miwako Suto: "PCR detection of phytoplankton genes in a case of death by drowning"Fifth International Symposium on ADVANCES IN LEAGAL MEDICINE Abstracts. 65 (2002)

  • [文献書誌] 須藤 美和子: "PCR法によるヒト組織からの植物プランクトンの検出"法医学の実際と研究. 45. 93-98 (2002)

  • [文献書誌] Sumiko Abe: "A novel PCR method for identifying plankton in cases of death by drowning"MEDICINE, SCIENCE and LAW. (in print). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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