(1)ターゲット分子の配列確認:アゾール耐性C. neoformans株NUCR1148株および感受性株NUCR1147の14-apla-demethylase(アゾールの標的分子)をコードするERG11遺伝子を増幅し、そのPCR断片のシークェンスを確認する。野生型(感受性株)と耐性型のアミノ酸配列の比較を行なった。その結果、484番目のグリシンがセリンに替わる遺伝子変異を見出した。 (2)クローニング:確定された変異を有するERG11のORF(open reading frame)を含むcDNAのサブクローニングを行った。NUCR1148株(耐性)およびNUCR1147株(感受性)から、それぞれERG11遺伝子のcDNAを、GALプロモーターを有するベクターに組み込み、それぞれpCN48EG11およびpCN47EG11とした。 (3)形質転換による表現型(感受性)の確認:pCN48EG11およびpCM7EG11を用いて、Saccharomyces cerevisiae DKS1株のtransformationをおこなった。ガラクトースとグルコースによる発現のオン・オフを調節できるため、組み込んだERG11の配列の違いによる薬剤感受性を調べた。プロモーターオフの状態では、変異の有無による薬剤感受性の変化はみられなかったが、ガラクトース添加によりプロモーターOnにすると、S48Gの変異を有する形質転換株でフルコナゾールMICの有意な上昇(2μg/ml→8μg/ml)が認められた。
|