研究課題/領域番号 |
13670471
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
亀田 秀人 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00265795)
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研究分担者 |
関口 直哉 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70327063)
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キーワード | アダプター蛋白 / Gab1 / transformation / 増殖因子 / 関節リウマチ / 滑膜細胞 / STI571 |
研究概要 |
平成13度までの細胞株を用いた検討をふまえて、平成14年度よりtransformした形質を示すことが知られる関節リウマチ(RA)患者由来の滑膜細胞を用いた研究に移行した。 1)RA患者より採取した滑膜線維芽細胞におけるアダプター蛋白の発現 RAの病態において滑膜細胞が腫瘍様増殖というtransformした性質を示すことが明らかになりつつあるため、滑膜細胞においてアダプター蛋白の発現異常や機能異常が生じている可能性を検討した。RA患者滑膜細胞で血小板由来増殖因子(PDGF)受容体の発現亢進がみられ、PDGFは滑膜細胞の増殖に最も重要な因子と考えられているため、多くの細胞でPDGF受容体のシグナル伝達に関与することが知られるアダプター蛋白の発現をRA患者滑膜繊維芽細胞(RA-SFLC)において検討した。すると、Gab1、Gab2、Shc、Nckの発現が認められたが発現異常はこれまで認められていない。 2)RA-SFLCの増殖因子刺激に対する反応性とアダプター蛋白の機能 RA-SFLCはEGFよりもPDGF刺激により強い増殖促進を示し、anchorage依存性増殖のみならず、RA滑膜の腫瘍様増殖を特徴づける軟寒天培養下でのanchorage非依存性増殖もPDGFにより強い促進効果を認めた。これに一致して、Gab1、Gab2およびShcがPDGF刺激に応じて速やかにチロシンリン酸化された。 3)RA-SFLCの増殖に対する慢性骨髄性白血病治療薬STI571の抑制効果 STI571はPDGF刺激によるRA-SFLCの増殖を0.1...Mより濃度依存性に抑制し、1...Mでほぼ完全な抑制効果を示した。これに合致してPDGF刺激によるGab1やGab2のチロシンリン酸化もSTI571 1...Mでほぼ完全に抑制された。従って、STI571がRAの治療にも応用可能であることが示唆された。
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