研究課題/領域番号 |
13670478
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
内潟 安子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50193884)
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研究分担者 |
岩本 安彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授・所長 (60143434)
三浦 順之助 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90297515)
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キーワード | インスリン自己抗体 / インスリン自己免疫症候群 / 1型糖尿病 / スキャチャード解析 / インスリン抗体 |
研究概要 |
インスリン自己免疫症候群と1型糖尿病はともにインスリン自己抗体を病因とする2大疾患である。前者は、インスリン自己抗体によって自己のインスリンが捕獲されてしまい、血中インスリン濃度は十分であるにもかかわかずインスリン活性のないインスリン抗体と結合したインスリンばかりのために血糖が高値となる。後者は自己免疫機序によってインスリン産生細胞である膵β細胞が破壊されてしまい、血中インスリンが絶対的に欠乏した病態であるが、昨今種々の膵臓特異的自己抗体のうち微量インスリン自己抗体が他の自己抗体(抗GAD抗体や抗IA-2抗体)よりも早期に出現しており、1型糖尿病発症感受性を決定している可能性が示唆されてきた。 1.インスリン自己免疫症候群患者の統計はこれまで東京女子医科大学糖尿病センターでおこなってきた。1970-1997年まではすでに報告した(Ann Med Interne 150:245,1999)ように244名であった(平均9名/年)。1998-1999年の報告は11症例であったが、1999-2002年に21名(平均7名/年)の報告ないし個人的な情報を得た。 2.外来性ヒトインスリン製剤に対するインスリン抗体のスキャチャード解析をインスリン自己免疫症候群のインスリン自己抗体のそれと比較した。これまで入手できた28名のインスリン自己免疫症候群のインスリン自己抗体のk1(10^8L/mol)は1未満であり、b1(10^<-8>mol/L)は10以上であった。これまで入手できた外来性インスリンに対する抗体のk1は1以上、b1は1以下であった。 3.1型糖尿病発症時にインスリン自己抗体が中検レベルで発見された患者が存在した。このインスリン抗体のスキャチャード解析は自己抗体と外来性インスリンに対する抗体の中間の性質をもっていた。
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