今回、我々は、in situ hybridization法を用いて観察し、RA患者関節滑膜組織において多数増殖が認められる線維芽細胞およびCD3陽性の活性化Tリンパ球にRANKL mRNAおよび蛋白の発現を認めた。また、RA患者の関節液中の可溶性RANKL濃度をELISA法によって測定し、RA患者の関節液中には、変形性関節症、外傷、痛風患者と比較して、可溶性RANKLが高濃度含まれていることを明らかとした。一方、RA患者のOPG濃度は低値を示しており、変形性関節症または痛風患者と比較すると、RA患者の関節液における可溶性RANKLとOPG濃度の比は有意に高値を示した。このようなRANKLとOPGの相対比の上昇が、RAにおける骨破壊を惹起している可能性が示された。実際、活性化されたTリンパ球がRANKLを発現し直接破骨細胞の分化を促進する実験結果も我々は得ている。
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