研究課題/領域番号 |
13670513
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清原 達也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50322178)
|
研究分担者 |
村山 洋子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
宮崎 義司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303960)
篠村 恭久 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90162619)
|
キーワード | クローン病 / マクロファージ / マウス / IL-10 / TNFα / IL-12 / CD40 / エンドトキシン |
研究概要 |
今回われわれはクローン病のモデル動物としてIL-10ノックアウトマウスを用いてそのマクロファージの機能異常と腸炎発症の関わりについて検討を行い、以下の点を明らかとした。 1.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは、大腸菌由来のエンドトキシンに強く反応して炎症性サイトカインであるTNFαやIL-12を過剰に産生する。 2.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは、ヘルパーT細胞によるマクロファージの活性化に関与する受容体分子であるCD40分子の活性化刺激に強く反応して、炎症性サイトカインであるTNFαやIL-12を過剰に産生する。 3.IL-10ノックアウトマウスのマクロファージの異常な活性化は、内因性のIL-10の産生によるフィードバック機構の欠如による。 4.マクロファージの活性化に際してそのサイトカイン産生を抑制するような負のフィードバックをかけるシグナル伝達物質であるSuppressor of Cytokine Signalling 3(SOCS3)については、IL-10ノックアウトマウスのマクロファージは正常マウスのマクロファージと同等以上の産生能を示した。 以上の結果から、IL-10ノックアウトマウスでは、マクロファージが腸内細菌やヘルパーT細胞からの活性化刺激に過剰に反応することが腸炎発症に関わっていると考えられた。 今後はこのマウスを用いて、エンドトキン拮抗剤やCD40リガンドの中和抗体がマクロファージの活性化を抑制して腸炎を治癒させるかについて明らかにしていく予定である。
|