研究課題/領域番号 |
13670517
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 信司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30243223)
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研究分担者 |
井倉 技 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
福井 浩司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
木曽 真一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40335352)
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キーワード | 肝再生 / 可溶性TGF-βII型受容体 / 分泌型HB-EGF / 遺伝子治療 |
研究概要 |
肝不全の治療法として肝移植が上げられるが、ドナー不足などの問題があり、直接肝再生を促進する療法の開発が切望されている。私共は、HB-EGFが肝細胞に対する強力な増殖促進作用を有していることを報告してきた。また、今回、トランスジェニックマウスを用い、分泌型のHB-EGFがin vivoにおける肝細胞の増殖に重要であることを明らかにした。一方、増殖抑制因子であるTGF-βの作用を抑制させることが、肝再生促進に重要であることを報告してきた。そこで、分泌型HB-EGFによる肝細胞増殖促進作用と、可溶性TGF-βII型受容体を用いた増殖抑制因子の阻害を同時に行い、より効率的な肝再生促進療法を確立するための基礎的検討を行った。まず、肝臓内へ遺伝子導入を試み、発現は確認されたが、発現量が実験間で不安であった為、マウスの筋肉内に発現プラスミドを注入し、in vivo electroporationにて遺伝子導入する方法へ変更し、安定した発現が得られた。さらに、遺伝子導入時にヒアルロニダーゼ処理することにより未処理に比し、6倍の血中濃度が得られることが明らかになった。この遺伝子導入方は十分な発現量が得られ、また筋肉内への遺伝子導入であるため臨床例への応用も十分可能と考えられる。今回の検討の結果は分泌型HB-EGFおよび可溶性TGF-βII型受容体を用いた遺伝子治療の実用化にむけた基礎的基盤を与えるものと考えられた。
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