研究概要 |
Helicobacter pylori持続感染と免疫関連遺伝子多型との関連の検討について,平成13年度には本研究を遂行するにあたって,島根医科大学倫理委員会の承認を得たのち,面談および文書による十分なインフォームドコンセントのもとに同意が得られた受診者500名において,H.pylori感染の有無について保存血清にて測定を行なった.さらに,全白血球分画よりgenomic DNAを抽出し,現在保存中である.本研究にて,検討を行なうMannosebinding lectin(MBL)の4つのpolymorphic siteの解析についてのsequence specific priming-polymerase chain reaction(SSP-PCR)法,Interferon-α(IFN-α)の特異的受容体であるIFNGR1のgenetic polymorphismの解析についてのmismatch-polymerase chain reaction後のFok1によるdigestionと電気泳動を行うPCR/RFLP法,Tumor necrosis factor-α(TNF-α)のプロモーターであるTNF(-308)におけるpolymorphismの解析についてのallele-specific polymerase chain reaction(ASPCR)法について予備的検討を行ない,解析法については習熟してきている.来年度には,実際の検討対象となった健診受診者における解析を遂行していく予定である.本研究を行なっていく過程で,長期のH.Pylori感染によって血中HDL-コレステロールが低下していることを見いだし,H.Pylori感染が動脈硬化に関与している可能性を指摘し,英文誌のHelicobacterに投稿し,現在印刷中の状態である.
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