研究課題/領域番号 |
13670524
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
西原 利治 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60145125)
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研究分担者 |
秋澤 直明 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00322280)
戸田 勝巳 高知医科大学, 医学部, 助教授 (40197893)
小川 恭弘 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90152397)
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キーワード | estrogen / aromatase / ArKO / cyp19 / 脂肪肝炎 / NASH |
研究概要 |
NASHの多くは、肥満に対する小腸バイパス手術や抗不整脈剤の合併症、抗エストロゲン剤による合併症として報告されてきた。しかし近年、病因の明らかでないNASHの増加が著しい。このような症例は肥満女性に多く、インスリン非依存性糖尿病を合併し易いなどの臨床像が明らかになるにつれて報告症例は増加し、今やC型慢性肝炎に次いで全米第三位の肝疾患である。しかし、本邦では未だ消化器の専門医の間でも本疾患の周知が不十分である。そこで今回、我々は日本肝臓学会西部会で「わが国における非アルコール性脂肪肝炎の現況」と題するワークショップを開催し、わが国における現況を明らかにした。 症例を集積し、解析した結果、抗エストロゲン剤によるNASHでは肝における脂肪酸β酸化能の低下が著明であるが、病因の明らかでないNASHでは脂肪酸β酸化能の低下は顕著でないことがわかった。しかし、抗エストロゲン剤によるNASH同様、高度のインスリン抵抗性を示すことも明らかになった。 高度の肥満はしばしば呼吸を抑制し、肺換気を低下させPickwick症候群をきたすことが知られている。NASHではしばしば高度の肥満を伴うことから、今回Pickwick症候群を伴うNASH患者では動脈血酸素分圧の低下に伴うlatent hepatic ischemiaにより潜行性に肝臓の線維化が進展する可能性を明らかにした(Lancet,2002)。そこで、「肝臓に高度の脂肪化を生じる」マウスを低酸素状態で飼育し、肝線維化を誘発する試みを試行中である。
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