研究課題/領域番号 |
13670535
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高橋 稔 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60291556)
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研究分担者 |
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
照井 健 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50281233)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20244345)
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キーワード | 新規変異p53遺伝子 / 進行消化器癌 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
[目的]申請者らが癌の基礎的検討中に見いだした強力なアポトーシス誘導能を有する新規の変異p53遺伝子p53/S376Aを用いかつ癌細胞特異的遺伝子導入法を駆使して、新規の消化器癌遺伝子治療を開発することを目的とする。 [方法](1)変異p53遺伝子(p53S376A)を腫瘍特異的プロモーター(AFP enhancer/promoterあるいはCEA promoter)あるいは非特異的ウイルスプロモーター(CMV promoter ; CMVp)にて発現するアデノウイルスベクター(AdV ; AdAFPep/p53S376A、AdCEAp/p53S376A、AdCMVp/p53S376A)を作製した。また対照AdVとして、野生型p53発現AdVであるAdAFPep/wtp53、AdCEAp/wtp53およびAdCMVp/wtp53をあわせて作製した。(2)AdAFPep/p53S376A、AdCEAp/p53S376A、AdCMVp/p53S376Aの抗腫瘍活性について検討した。(3)AdCMVp/p53S376AおよびAdCMVp/wtp53の抗腫瘍効果について比較検討した。(4)それぞれの腫瘍特異的プロモーターにより発現するp53S376A発現AdVと野生型p53発現AdVとの抗腫瘍効果の比較検討を行った。 [結果]in vitroならびにin vivoでの検討においてp53S376A発現AdVは野生型p53発現AdVの抗腫瘍効果を上回っていた。 [結語]p53の新規変異体発現AdVによる抗腫瘍効果は野生型p53発現AdVによる抗腫瘍効果を上回る活性を有し消化器進行癌に対する遺伝子治療の一つの重要なモダリティとなる可能性が示唆された。
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