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2002 年度 実績報告書

胃粘膜の恒常性維持と病態変化の過程における各種ペプチド作動性神経の役割の追求

研究課題

研究課題/領域番号 13670554
研究機関北里大学

研究代表者

市川 尊文  北里大学, 医学部, 講師 (30245378)

研究分担者 石原 和彦  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10104530)
キーワード粘液細胞 / 免疫組織化学 / 抗ムチンモノクローナル抗体 / ムチン / 実験潰瘍
研究概要

胃粘膜の恒常性を保つ仕組みを明らかにするために、ラット実験潰瘍治癒過程において抗ムチンモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検討を行い、複数に分類される粘液細胞(表層粘液細胞・副細胞・前庭部粘液細胞)由来のムチンを比較し、以下の結果を得た。
1.傷害惹起物質(エタノール,塩酸)をラットに投与し、急性胃粘膜傷害を引き起こすと、胃体部粘膜では、傷害の早期から胃体部表層粘液に特異的に反応する抗体RGM21の染色域の狭小化が認められた。逆に、正常では認められないRGM26及びHCM31に染色性を示すムチンを産生することが確認されたが、このときのRGM26の染色域は狭部付近であり、HCM31の染色域はより表層であった。また、RGM26は傷害惹起物質投与後の早期から染色性が認められるが、HCM31は少なくとも48時間以上経過してから染色性を認めるようになった。
2.RGM26及びHCM31の染色域はRGM23の染色域に含まれており、これらのコアペプチドはMUC5ACであることが推察された。また、胃の深層ムチンに特異的な抗体HIK1083は傷害によって染色域が広がる傾向が認められた。
3.以上より、ラット急性胃粘膜傷害では・胃体部の治癒過程において、特異的なムチンの変動を生じることが確認された。その変動は慢性潰瘍の治癒過程において認められる特異的なムチンと同様であったが、発現の部位や時間経過による変化には慢性潰瘍とは異なる部分も認められ、胃粘膜の恒常性を保つ仕組みにおけるムチンの役割を考える上で重要であると推測された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tomoaki Ikezawa: "Immunohistochemical localization in rat gastrointestinal tract of a sialomucir species recognized by HCM31, a new anti-mucin monoclonal antibody"Biomed. Res.. 23. 63-68 (2002)

  • [文献書誌] 市川尊文: "消化管型グルタチオンペルオキシダーゼの胃粘膜における局在の検討"生化学. 74. 829 (2002)

  • [文献書誌] Kazuki Satoh: "Hepatocyte growth factor activates mucin synthesis in human alveolar epithelial cells"Biomed. Res.. 22. 277-282 (2001)

  • [文献書誌] 市川尊文: "胃粘液分泌の可視化とその応用-ラット及びマウスを用いた実験的検討-"実験潰瘍. 29. 10-13 (2002)

  • [文献書誌] 市川尊文: "アルコールと胃粘膜防御機構"適応医学. 6・2. 47-50 (2002)

  • [文献書誌] 池澤智明: "ラット急性胃粘膜傷害に伴う粘液の変動-モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検討-"実験潰瘍. 29. 95-97 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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