研究課題
基盤研究(C)
慢性B型肝炎の治療として今日では核酸アナログのラミブジンがウイルス増殖を確実に抑制しうる有効な薬剤として長期投与が行われるようになっているが、長期使:用により耐性株が出現することが臨床上の問題となっている。ラミブジンを短期間投与し投与を、中断するとしばしばシューブを起こした後にウイルス増殖の停止とセロコンバージョンを起こすことがしばしば経験される。今回はラミブジン中断後にHBVの増殖に対して生じる免疫応答を経時的cDNAマイクロアレイを用いて経時的に解析して、ウイルス増殖抑制に関与する宿主遺伝子を網羅的に検討した。成績HBV増殖の抑制されたケースで上昇している遺伝子が10個、発現の低下している遺伝子が10個認められた。発現の上昇している遺伝子のうち4つはインターフェロン関連遺伝子であり、一方発現の低下しているものはPROINFLA融TORY CYTOKINEであった。この中でも2倍以上発現の上昇した遺伝子と1/2以下に発現の低下した遺伝子はそれぞれHLA-DQA1、2.65(M34996)とCCR-3、041(U28694)であった。慢性肝炎3例に遺伝子発環のpatternに共通する特徴が認められた。まず3TC中断後にウイルス増殖と同時にインターフェロン系の遺伝子の発現レベルが一過性に上昇する。一方CTLのメディエーターであるグランザイムBは観察期間中一貫して高い発現レベルを示した。またインターフェロン系が作動してもウイルスCTL関連の遺伝子発現の動かないケースでは、ウイルスの再増殖が起こった。HBVのようなDNAウイルスでも、その増殖は自然免疫系を介して認識されてインターフェロン系を誘導する可能性が今回の検討により示され、自然免疫系から獲得免疫まで有効に作動した場合に初めてウイルス増殖が抑えられる可能性も併せて示された。
すべて 2006 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
J Gastmenterol 41(4)
ページ: 383-387
J Gastroenterology 41(4)
Modern Physician 25(12)
ページ: 1592
臨床血液 46(9)
ページ: 1031-1037
Rinshoketsueki 46(9)
J Med Virol 72(2)
ページ: 223-229
消化器科 38(1)
ページ: 88-94
Shoukakika 38(1)
肝臓 44(8)
ページ: 428
Kanzou 44(8)